家庭菜園でバジルを地植えする際、ナスやトマトとの混植栽培がおすすめです。地植えにより、バジルは一株からも家庭での使用に十分な量を収穫できます。特に、バジルとナス科植物として知られるナスやトマトは相性が良く、互いの生育を促進する効果があります。
バジルはその豊かな香りで料理のアクセントに最適なハーブです。家庭菜園では、料理の際に少量を手軽に摘んで使うことができ、これが栽培の大きな魅力の一つです。この記事では、バジルの地植え栽培法と、他の野菜との混植栽培のポイントについて詳しく解説しています。様々な野菜やハーブの栽培に興味がある方は、ぜひ参考にしてみてください。
地植えのバジルはとても大きくなります!トマトやナスを地植えする際には一緒に植えるようにしています。
1.バジルについて
バジルの原産地はインドからインドネシア半島にかけての地域で、ヒンズー教徒の間では神にささげる高貴な植物とされていました。後に、ヨーロッパに伝えられ各地に広められイタリア料理などでもなくてはならない植物になりました。熱帯出身のバジルは寒さにはあまり強くなく日本では越冬は難しい植物になります。
シソ科メボウキ属になります。メボウキの由来は諸説ありそうですが、バジルの種子を水に浸すと膨張し表面がゼリー状になり、それで目に入ったごみを洗浄していたというとこから、目を掃除する「目ぼうき」と称されるようになったという話があります。
名称 | バジル |
原産地 | 熱帯アジア/インド |
分類 | シソ科メボウキ属 |
発芽温度 | 15~30℃ |
生育適温 | 15~20℃ |
株間 | 30cm |
畝幅 | 60cm |
pH | pH6.0~6.5 |
収穫まで | 約1ヶ月半 |
1.1 プランターでのバジルの育て方
この記事では地植えでのバジル栽培に焦点を当てていますが、プランターでもバジルは十分に育てることが可能です。プランターには、地植え栽培とは異なるいくつかの管理方法が必要です。
プランターでのバジルの具体的な管理方法や手法については、別の記事で詳しく解説しておりますので、地植えでの栽培を検討している方はぜひ参照してください。
2.バジルはコンパニオンプランツにも最適!
家庭菜園は限られたスペースを有効活用するため、様々な野菜を混植することもおすすめのテクニックです。相性の良い異なる種類の野菜を同じ場所に植えることで、害虫の抑制や土壌の栄養バランスを保つなどの利点があります。この相性のいい組み合わせをコンパニオンプランツといいます。
コンパニオンプランツについての基本知識はこちらの記事で詳しく解説していますので知識を深めたい方はご参照ください。
2.1 コンパニオンプランツとしてのバジル
2.1.1 バジルを混植する効果と注意点
バジルの香りはアブラムシやテントウムシダマシなどの害虫を遠ざける効果があるといわれいます。また、水分を多く必要とするバジルは、比較的乾燥した状態を好むトマトなどと相性が良いです。
混植を行う際には、バジルが他の植物の成長を阻害しないように、植え付け時期を遅らせたり適切な株間を保つことが重要です。また、適時の摘心や収穫を行うことで生長をコントロールします。
2.1.2 バジルと相性のいい野菜
バジルはナス科のトマトやナス、アブラナ科のラデッシュなどと相性がよいことで知られています。
また、ウリ科は相性が悪い野菜が多いためあまり一緒に植えない方がよいでしょう。
2.3 バジルの混植栽培の作付け例
バジルは相性のいい野菜が多いですが、ナスやトマトとの混植栽培は特におすすめです。この章では、実際にしま農研でおこなったナスやトマトとのバジルの混植栽培の作付け方法をご紹介します。
2.3.1 バジルとナスの混植栽培の作付け例
しま農研で実際におこなったナスとバジルの混植栽培をレポート形式で紹介しています。この作付けについてはバジルだけでなく落花生、ナスタチウム、マリーゴールド、ニラも一緒に植えている作付けになります。
作付け位置やそれに伴う成長の様子、そしてその効果や失敗についての詳細を公開しています。あなたがナスとバジルの混植栽培を試みる際には、是非こちらの記事を参考にしてみてください。
2.4.1 バジルと中玉、ミニトマトの混植栽培の作付け例
しま農研で現在おこなっている中玉、ミニトマトとバジルの混植栽培をリアルタイムで観察しています。この作付けには、ナスタチウムやディル、チャイブなども一緒に植えてハーブとトマトの共存を目指した作付けになっています。
作付け位置やそれに伴う成長の様子を確認することができるので、今後や現在にトマトとナスの混植栽培をする時の参照にしてください。
3.バジルの地植えでの栽培計画と準備
地植えでバジルを栽培する場合、計画的に準備を行うことが成功への鍵です。この章では、バジルの栽培計画と準備について具体的に解説します。
3.1 バジルの栽培時期
バジルは20℃以上の温度で発芽するため、種から育てる場合は5月頃、遅霜の危険がなくなり暖かくなってからが適しています。
初心者の方は、園芸店で苗を購入して定植する方法もおすすめです。トマトなどと混植する場合は、他の野菜の植え付けから1週間程度遅らせて定植することが良いでしょう。これにより、トマトの生長を阻害することなく育てることができます。その後は、摘心に注意さえすれば11月ころまで収穫を楽しむことができます。
3.2 バジルの地植え栽培スペース
地植えでバジルを栽培する際には、植物が十分に大きく育つことを見越して、適切なスペースを確保することが重要です。
摘心作業によって生長をコントロールすることは可能ですが、地植えのバジルはかなり大きく育ちます。
混植を行う場合でも、バジルの株と他の植物との間には25~30cm程度の間隔を空けることをお勧めします。
3.3 バジルの地植え栽培の土作り
土作りは栽培成功の基盤を築くために、バジルを含む多くの野菜にとって必要不可欠なステップです。特に晩冬、春からはじめる土づくりは期間をかけてじっくりとおこなうことがおすすめです。遅くとも定植予定日の1ヶ月前には準備にとりかかりましょう。
土作りは、雑草の除去から始め、土壌改良、酸度調整、元肥の施用といったステップに分けておこないます。土作りの手順については別の記事に詳しくまとめています。土づくりのさいはぜひこちらの記事を参考にしてください。
4.バジルの地植えでの栽培方法
4.1 バジルの育苗
苗ポットにバジルの種を3粒ほど播きます。適切な温度であれば1週間程度で発芽します。
本葉が2,3枚増えた時点で葉っぱかわ触れ合わないように間引きし、最終的に8〜10枚になる頃までには1本だけ残しが定植します。
4.2 バジルの定植
バジルを定植する際には、水やりが非常に重要です。根の健康的な活着を促進し、苗の成長を支えるために、以下の手順で水やりを行います。
この手順でジルの苗は地植えの環境にしっかりと適応し、健康的な成長を遂げることができます。
定植後は、特に初期段階での適切な水やりが、バジルの成長にとって非常に重要になります。
1.ポットへの水やり
定植作業の1~2時間前にポットのエダマメに水をたっぷりと与えます。これにより、土が湿って、根が移植時のショックを最小限に抑えられるようになります。
2.植え穴への水やり
植え穴を掘ったら、その穴にも水をあたえます。このステップは、土に十分な水分を確保し、苗が新しい環境に適応しやすくするために重要です。
3.定植後の水やり
覆土をした後、再度たっぷりと水を与えます。この水やりにより、土と根が密接に接触し、根の活着を促進します。
4.3 バジルの摘心
混植栽培でバジルを育てる場合、摘心作業が重要です。この作業は、バジルの成長を適切にコントロールし、より多くの収穫を得るために役立ちます。
4.3.1 バジルの摘心の基本知識
摘心は、植物の主茎の先端部分を切り取ることで、下部の脇芽の成長を促す剪定方法です。
バジルは先端部分の下部に必ず2つに分かれた脇芽が存在します。先端を摘心することで、下の脇芽が育ち、植物の生長をコントロールできます。
4.3.2 バジルの摘心の開始時期
最初の摘心は、バジルが20cm程度に成長した、定植後約1ヶ月頃が目安です。
この時期に、主茎を3節程度残して摘心を行います。最初の摘心は背丈をコントロールするうえでも重要なため忘れないようにおないしょう。
4.3.3 摘心のメリット
摘心は、バジルの背丈を抑えるだけでなく、葉の茂り過ぎを防ぎ通気性を確保し、病害虫の予防にも役立ちます。
生長が促されるわき芽により、結果的に収穫量が増加します。
これらのポイントを押さえて、バジルの摘心作業を行うことで、健康的な成長を促し、収穫量を最大限に引き出すことができます。
摘心はバジル栽培の中で非常に重要な作業なので、忘れずに行いましょう。
4.4 バジルの収穫
バジルの収穫は、摘心と同様に植物の生長に合わせて行います。
バジルの収穫は、主に植物の頂部にある若い葉を中心に行います。頂部の葉が4枚程度になったら、ハサミを使って摘み取りましょう。
ただし生長が早いため4枚にこだわず茂り過ぎた葉は通気性を確保するためにも剪定してください。剪定の際は前章の摘心作業を参考にしてください。
4.5 バジルの花摘み
バジル栽培において花穂の摘み取りは重要な作業です。特に葉を優先的に収穫したい場合は、花穂が現れたらすぐに摘花することが望ましいです。
花が咲くと葉の質が変わり、硬くなってしまい食味も落ちてしまいます。さらに、花が種になると、バジルは生涯の役割を果たしたと判断し、枯れてしまうことがあります。
花穂をこまめに摘果することにより、10月頃まで新鮮で香り高いバジルの葉を収穫し続けることが可能です。
4.6 バジルの水やり
バジルは、比較的水を必要とするハーブですが地植えの場合あまり水やりをする必要はありません。過度な水やりは避けるべきです。過剰な水分は根腐れを引き起こす可能性があるため、注意が必要です。
ただし、定植直後の1週間程度は根の活着を促進するために水やりが重要です。また、雨が降らず土が極端に乾燥した状態の場合も、水を与えることが推奨されます。特に夏の暑い時期は、朝や夕方の涼しい時間帯に、土中深くまでしっかり水が行き渡るようにたっぷりと水やりを行います。
4.7 バジルの追肥
4.7.1 追肥のタイミング
バジルの健康な成長には、適切な追肥が欠かせません。しかし、過剰な肥料は害虫の誘引や成長の阻害を招くことがあるので、量に注意が必要です。
葉の黄変や薄さは肥料不足の兆候であり、特に収穫の後半に肥料が切れると花がつきやすくなります。このようなサインを見たときは、過剰にならないよう適量の追肥を行います。
4.7.2 追肥作業の向上
追肥の具体的な方法や考え方については、別の記事で詳しく解説しています。しま農研ではこの分野に関する研究を続けており、より深い知識を求める方には、是非その記事を参考にしてください
5.まとめ
地植えでのバジル栽培における重要なポイントを紹介しました。バジルは一株からでも家庭利用に十分な量を収穫でき、混植栽培にも適しています。また、手間が少なく、適切な管理をすれば放置しておいてもよく育つのが特徴です。
この記事では、混植栽培におけるバジルと相性の良い野菜、そのメリット、実際の作付け例について共有しました。さらに、バジル栽培のコツや手順についても詳しく解説しました。これらの情報を活用して、ぜひバジル栽培に挑戦してみてください。
しま農研では、バジル以外にも様々な野菜の栽培方法について情報を提供しています。これらの情報は50音順で整理されており、どの野菜を栽培したいかに関わらず必要な情報を簡単に見つけることができます。家庭菜園に興味がある方は、これらの情報を活用して、より豊かな菜園作りを楽しんでください。
読んでいただきありがとうこざいました。
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