ハーブ栽培に興味はあるけれど、何かと難しそうと感じていませんか?実は、バジルは手間がかからず、初心者にも非常に育てやすいハーブです。
大型のプランターを用意する必要もなく、小さなスペースで気軽に始められるため、プランター栽培に最適。バジルはその香り高さで料理に深みを加え、新鮮な状態でキッチンからすぐに摘んで使えるのが大きな魅力です。
この記事では、プランターを使ったバジルの栽培方法をわかりやすく解説します。もし今年、栽培を考えているなら、ぜひこのガイドを参考にしてください。あなたのバルコニーや窓辺が、美味しいバジルで溢れること間違いなしです!
バジルはしま農研も毎年プランターで育てているハーブです。フレッシュなバジルの香りは料理を美味しくしてくれます!
1.バジルについて
バジルはインドからインドネシア半島にかけて原生する植物で、古くからヒンズー教の信仰において神聖な植物とされ、神への捧げ物として用いられてきました。この貴重なハーブは後にヨーロッパへ伝わり、特にイタリア料理には欠かせない存在となりました。
バジルはシソ科メボウキ属に属します。その名前の由来には諸説ありますが、一つの説はバジルの種子が水に浸されるとゼリー状に膨張し、目に入ったごみを洗い流すのに使われていたことから、「目ぼうき」と呼ばれるようになったとされています。
世界中に150種以上のバジルが存在しますが、最もポピュラーなのはスイートバジルです。この品種はその甘い香りと風味で、多くの料理に使われ、料理愛好家に愛されています。
和名/英語 | バジル/basil |
原産地 | 熱帯アジア、インド |
分類 | シソ科メボウキ属 |
発芽適温 | 20~30℃ |
育成適温 | 15~28℃ |
プランター | 5号深さ15cm以上 |
土壌酸度 | pH6~6.5 |
収穫まで | 約90日 |
1.1 地植えでのバジルの育て方
この記事ではプランターでのバジル栽培に焦点を当てていますが、地植えでもバジルは十分に育てることが可能です。地植えには、プランター栽培とは異なるいくつかの管理方法が必要です。また、コンパニオンプランツとしても優秀でトマトやナスと一緒に植えるとお互いの生育がよくなるとされています
地植えでのバジルの具体的な管理方法については、別の記事で詳しく解説しておりますので、地植えでの栽培を検討している方はぜひ参照してください。
2.バジルのプランターでの栽培計画と準備
バジルの栽培の成功は、計画的な準備にかかっています。プランターでの栽培は場所を選ばず、管理がしやすいため、特に初心者におすすめです。
このセクションでは、プランターでのバジル栽培計画とその準備プロセスについて詳しく解説します。
2.1 バジルのプランターの大きさ
2.1.1 バジルを育てるプランターの選び方
バジルを一株だけ育てる場合、5号サイズのプランターを選び、深さが15cm以上あれば充分です。
バジルは野菜などに比べてそれほど多くのスペースを必要としないため、比較的気軽に育てることが可能です。
もし大きく育てたい場合は、8号サイズのプランターを使用することをお勧めします。
2.1.2 プランターの選び方
プランターを選ぶ際は、サイズの「号」や「型」の表記を理解することが重要です。プランターの材質や形状も植物の健康に大きく影響します。
こちらの記事では、プランター選びのコツとおすすめのプランターについても詳しく紹介しています。プランター購入を検討している方は、ぜひこれらの情報を参考にしてください。
2.2 バジルの栽培計画
バジルの生育適温は15~20℃になります。暖かくなってきた5月位の暖かくなってきてからがベストです。
定植から収穫開始までは90日が目安になりそこから夏終わり頃までは定期的に収穫することが可能です。また種から育てる場合は4月下旬頃から種まきが可能です。
2.3 バジルのプランター栽培の土づくり
プランターで使用する土は、適切な管理を行えば、2年目以降も再利用が可能です。プランター栽培を始める初心者には、園芸店で販売されている野菜用の土を利用することをお勧めします。
土の再利用には、まず古い根や残留物を取り除くことから始めます。その後、土壌の再生材を混ぜ込むことで品質を向上させることができます。さらに、太陽熱消毒を行うことで土の状態を改善し、病原菌や害虫の抑制が可能になります。プランターでの土作りの具体的な手順や詳細は、別の記事で詳しく解説しています。
3.バジルのプランターでの栽培方法
この章では、プランターを使用したバジルの栽培の具体的な手順を詳しく解説します。
3.1 バジルの種まき(プランター)
バジルをたくさん育てる予定がない場合は、株での購入もおすすめですが、種から育てる方法にもチャレンジできます。このセクションではバジルの種まきについて詳しく解説します。
3.1.1 バジルの種まき手順
バジルの種は発芽率が65~80%です。ポットで育てる場合は一つのポットに4~5粒ほど播くと良いでしょう。バジルは直射日光をそれほど必要としないため、室内でも育苗が可能です。種を蒔いた後は、土が乾燥しないように注意し、土の表面が乾いたら適宜水やりを行います。
発芽に適した温度は20℃で、これより低い温度では発芽が困難になることがあります。一般的に、発芽までの期間は7~10日ですが、それを超えても発芽しない場合は、種の再蒔きを検してもよいでしょう
3.1.2 育苗のポイント
育苗期間中は温度管理、覆土の方法、適切な水やりがキーとなります。これらは初心者にとって少々難しいかもしれません。
しま農研でもこのトピックについては引き続き研究中ですが、育苗の具体的なポイントについては別の記事で詳しく説明しています。育苗に関する詳細な情報が必要な方は、その記事を参照してください。
3.2 バジルの間引き(プランター)
3.2.1 間引きのタイミング
ポットや連結ポットでバジルを育てている場合、発芽後の間引きが重要です。最初の本葉が1〜2枚現れた時が、間引きの最適なタイミングです。この段階で、各ポット内の苗を2〜3株に減らします。間引きは、余分な苗を取り除くことで残った苗が健康に成長するためのスペースと栄養を確保するために行います。
間引き後は、苗が本葉を4~6枚持つまでしっかりと育苗を続けます。この期間は、苗が充分に成長し、後の移植や定植に耐えられるだけの強さを持つようになるため、適切な水やりと光の管理が重要になります。
3.3 バジルの定植(プランター)
バジルを種から育てた場合、本葉が4~6枚程度になったときが定植の適切なタイミングです。苗を選ぶ際は、黄ばみや虫食いがなく、徒長していない健康なものを選びましょう。バジルの生育に最適な温度は15~20℃で、暖かくなる5月頃の定植が理想的です。
定植時には、根の活着を促進するために水やりの方法に注意が必要です。しま農研の方法では、以下の三段階で水を与えることを推奨しています
定植後だけでなく、定植前にポットや植え付け穴にも水をあたえる
3.3.1 バジルの定植の手順
1.苗のポットに水を与える
植え付けの1~2時間前に、ポットの苗にたっぷりと水を与えます。これにより、苗の根が移植ショックを軽減し、新しい環境での活着がスムーズになります。
この時、液体肥料を適切に希釈して与えると、根の成長をさらに促進することができます。
2.開けた穴に水を入れて定植する
定植用の穴を掘り、一度ポットを入れてみて深さを調整します。
穴の深さが適切であれば、その穴に水を注ぎ、その中に苗を植え付けます。
3.定植後にたっぷりと水やりをする
苗を植えた後は、しっかりと水を与えて土と根が密着するようにします。
これにより、苗は新しい土の中でしっかりと根を張り、健康的な成長を遂げることができます。
3.4 バジルの剪定と収穫(プランター)
バジルを栽培する際には、剪定を収穫と同時に行うことで、植物の形を整え、通気性と光合成の効率を向上させることができます。これにより収穫量を増やし、長期間にわたってバジルを楽しむことが可能になります。
バジルのわき芽の生長を理解することが剪定のポイント
このセクションでは、バジルの剪定と収穫方法について詳しく解説します。
3.4.1 バジルの特徴
バジルは、自然にわき芽が2つに分かれて成長する性質を持っています。剪定時にはこの特性を意識し、バランスの取れた形で成長させることが重要です。収穫は、植物の先端にある若い葉から行い、これによりわき芽が促進され、収量が増加します。
3.4.2 初期の摘心
バジルの草丈が20cmに達し、本葉が10枚程度になったら、本枝の摘心を行います。
これにより、わき芽の成長が活発になり、植物全体の収量が増加します。
3.4.3 花芽の収穫
バジルは成長が進むと花をつけるようになります。花芽を放置して花が咲くと種ができ、植物が衰弱しやすくなります。
種取りを目的としない場合は、花芽を早めに剪定してバジルを長く楽しむことができます。花芽が見えたら早めに剪定することが、バジルの活力を保つ鍵です。
3.5 バジルの水やり(プランター)
3.5.1 水やりのポイント
バジルは乾燥を嫌うため、適切な水やりが成長には欠かせません。特にプランター栽培では土の乾燥が早く進むことがありますので、土の表面が乾いたら水を与えることが重要です。
大きく成長したバジルはより多くの水分を必要とするため、特に夏の暑い時期は土の乾燥に特に注意し、頻繁に水やりを行う必要があります。
ただし、過剰な水やりは土壌の過湿を引き起こし、根腐れの原因となるため注意が必要です。天気と土の状態を観察しながら、バジルの水やりを適切に管理していくことが肝心です。
3.6.1 バジルの追肥(プランター)
バジルの追肥は、適切なタイミングと量を把握することが成功のカギです。バジルは比較的肥料が大好きな植物です。肥料不足には注意しましょう。
葉が黄色くなってきたら肥料不足を疑う!
3.6.1 バジルの追肥のタイミング
バジルの追肥は、本葉が10枚ほどになった後、2週間ごとに施すのが理想です。これが追肥の基本的なタイミングです。
また、バジルの観察によっても追肥のタイミングを見極めることができます。葉の色が異常に濃く大きい場合は肥料過多の可能性があり、一方で葉が黄色く元気がない時、または花芽が多くつく場合は肥料不足の兆候です。
3.6.2 追肥作業の向上
追肥は植物との対話とも言える作業で、正しい方法を見つけるためには経験と観察が必要です。植物の細かな変化に注意を払い、追肥の技術を磨くことで、野菜とのやり取りがより楽しく、生産的なものになります。
追肥に関するさらに詳しい手法や考え方については、しま農研の別の記事で詳しく解説しています。現在も追肥に関する研究を続けているため、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
2.6 バジルの種とり
バジルの種とりをしておくと来年に育苗ができます。しま農研は、バジルの種とりについては今年初挑戦。まだ、経験がないですが予習もかねて方法を記していきます。
2.6.1 花が散り終わった花穂を収穫し乾燥させる
バジルの収穫の終盤10月頃に種とりのために剪定せずに花を咲かせます。花穂を摘み取るタイミングは花が散って茶色がかった種が落下する前に剪定し、完全に茶色になるまで1週間ほど天日ほしします。
2.6.2 茎についた殻を取り外す
茎についてる種の入ったからを茎から取り外していきます。手袋をつけて茎をスライドさせていけば殻を簡単に取り外すことができます。
2.6.3 ふるいにかけて殻と種を分ける
ふるいを用意してふるいをかけて種と殻を取り分けていきます。取り外しが難しい時は殻を優しく指でほぐすと中から種がはじけ飛ばされます。またふるいにかけた後も抜け殻のカスが混ざっているのでさらに取りのぞいて種だけにします。
2.6.4 種は適切な方法で保管すると発芽率があがる
適切な方法で種を保管するといい状態で来年種を使うことができます。種は湿気、光、空気、高温に注意することが必要です。
種をよく乾燥させ、湿気対策として封筒等の紙袋にいれておきます。ジップロック等の袋にいれて空気を遮断し、光を当てないように缶にいれておきます。最後に冷暗所のような高温にならない場所で保管します。他の野菜ですが適当に保管した種は発芽率がとても悪かったこともあるので適切な方法でおこなうとようでしょう。
4.しま農研のプランターでのバジル栽培:実践編
しま農研ではバジルのプランター栽培に関する実践を進めており、独自の試みや遭遇するトラブルを通じて多くを学んでいます。この章では、その栽培の実際の様子を共有し、あなたがバジル栽培を行う際の貴重な参考情報を提供することを目指します。
4.1 バジル栽培の観察記録
しま農研での日々の栽培活動は、バジルの成長をリアルタイムで観察し、その記録を共有しています。これにより、効果的な栽培方法を継続的に評価し、改善することが可能です。また、最適な栽培技術を見つけ出すための試みも進行中です。
これらの詳細な観察記録を活用し、あなたのバジル栽培における成長の比較や問題解決の参考としてください。
5.まとめ
この記事を通じて、プランターを使用したバジルの栽培に関するあらゆる情報を包括的に提供しました。特に、プランター選びのポイント、効果的な栽培計画の立て方、そして実際の栽培プロセスについて詳しく解説しました。
バジルは場所を選ばず、ベランダや玄関先で容易に栽培できるため、手間がかからず初心者にも挑戦しやすいハーブです。この記事があなたのバジル栽培に役立ち、家庭菜園をより楽しいものにする手助けとなることを願っています。
また、しま農研では様々な野菜の栽培方法を紹介しており、これらの記事は50音順で整理されています。どの野菜に興味があっても、必要な情報を簡単に見つけることができます。ぜひこれらの情報を活用して、バジル栽培だけでなく、他の野菜やハーブにも挑戦してみてください。
読んでいただきありがとうございました!
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