夏野菜の先駆け!ズッキーニの地植え栽培で早めの収穫を楽しもう

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野菜の育て方

焼いたり、煮たりしたホクホクのズッキーニは、イタリア料理などでも人気の夏野菜の1つです。ズッキーニを家庭で育ててみたいけど、難しそうなので敬遠している方も多いのではないでしょうか。

ズッキーニは、授粉作業においては手間が少しかかる野菜ですがその他は基本的な野菜と育て方は変わらず、地植えで育てた場合はその成長の大きさには育ててる気持ちをあげてくれます。また、しま農研的にズッキーニの最大の魅力は他の夏野菜に比べて生長が早く、先駆けて継続的に収穫を楽しめる部分にあります。

この記事では、地植えにおけるズッキーニの育て方を詳しく解説しています。ズッキーニを育てようと考えている方は是非参考にしてください。

しま農研
しま農研

他の夏野菜より先駆けて収穫できるが魅力のズッキーニ。地植えですと1株でも家庭で十分楽しめる量を収穫できることができます。

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1.ズッキーニについて

南アメリカやメキシコが原産地で16世紀頃ヨーロッパで栽培がはじまったと言われています。ズッキーニはかぼちゃの仲間で、温暖で乾燥を好み一般的には夏の暑さにはやや弱いそうです。
イタリア語で「小さなかぼちゃ」の意味があり、ツルが伸びないことから「ツルなしかぼちゃ」ともいわれています。

名称ズッキーニ
原産地南アメリカ/メキシコ
分類ウリ科かぼちゃ属
発芽温度25~30℃
生育適温20~28℃
株間60cm
畝幅90cm
pHpH6.0~6.5
収穫まで約1ヶ月

2.ズッキーニの地植えで栽培計画と準備

地植えでズッキーニを栽培する場合、計画的に準備を行うことが成功への鍵です。この章では、ズッキーニの栽培計画と準備について具体的に解説します。

2.1 ズッキーニの栽培時期

ズッキーニの定植は、中間地域では4月中旬から5月頃が適切で生育適温は20~28℃です。しま農研では、ゴールデンウィークを利用した定植をするのが通例になっています。ズッキーニは、他の夏野菜と比べて成長が早く、定植から1ヶ月もあれば収穫を開始することができます。

しま農研でのズッキーニの栽培経験を基に、月別の具体的な作業と成長の様子をカレンダー形式でまとめました。このカレンダーを参照することで、ズッキーニの成長の進行や、それに伴うケアのタイミングを具体的にイメージすることができます。

なお、このカレンダーに記載されているデータはしま農研での実際の結果をもとにしています。あなたの環境や条件下での栽培時には参考程度にご利用ください。

2.2 ズッキーニの栽培スペースの確保

ズッキーニは非常に大きく成長するので、適切に栽培スペースを確保することが重要です。

一般的には畝幅(横幅)90cm、株間(縦幅)60cm以上空けておくことが一般的です。これにより、ズッキーニの成長スペースが確保され健康な成長に繋がります。

しま農研では、四つ角にエダマメを定植し混植栽培でスペースを有効活用しています。

定植から40日のズッキーニ。大きく成長するので広めのスペースが必要

2.3 ズッキーニの苗の選び方

良質な苗を選ぶことは、その後の生育や収穫において非常に重要です。適切な苗を選ぶことで、栽培がスムーズに進み、病害虫のリスクを低減できるでしょう。

選び方のポイント詳細説明
本葉の枚数ナスの苗は、本葉が3,4枚のものが最適
子葉の存在子葉がしっかりついてること
本葉の健康状態葉が薄くなっていない、病気や害虫被害がない苗
茎の太さと節間の長さ節間が長い徒長気味の苗はさける。茎が太く節間の短い苗を選ぶ

2.4 ズッキーニ地植え栽培の土づくり

土作りは栽培成功の基盤を築くために、ズッキーニを含む多くの野菜にとって必要不可欠なステップです。特に晩冬、春からはじめる土づくりは期間をかけてじっくりとおこなうことがおすすめです。遅くとも定植予定日の1ヶ月前には準備にとりかかりましょう。

土作りは、雑草の除去から始め、土壌改良、酸度調整、元肥の施用といったステップに分けておこないます。これらの手順については別の記事に詳しくまとめています。土づくりのさいはぜひこちらの記事を参考にしてください。

3.ズッキーニの地植えでの栽培方法

こちらの章ではズッキーニの実際に育て方について詳しく解説していきます。定植からはじまり、初期の摘果、摘葉、授粉作業、追肥、支柱立てなどについて解説していきます。

3.1 ズッキーニの定植

ズッキーニの定植における水やりのポイントは、根の活着を促進し、苗の健康的な成長を支えることにあります。以下に、ズッキーニの定植時の水やりの具体的な手順を説明します。

定植のポイント

植え付け前のポット、植え付け用の穴、定植後の株のまわりの3回水を与え根の活着を促進する

1.ポットへの水やり

定植作業の1~2時間前にポットのエダマメに水をたっぷりと与えます。

これにより、土が湿って、根が移植時のショックを最小限に抑えられるようになります。

1,2時間前にたっぷりポットに水をあたえてる

2.植え穴への水やり

植え穴を掘ったら、その穴にも水をあたえます。このステップは、土に十分な水分を確保し、苗が新しい環境に適応しやすくするために重要です。

穴の深さは定植前のポットをいれ高さを整えると作業がしやすく

開けた穴にも水をあたえる。穴の深さはポットをいれ確かめる

3.定植後の水やり

覆土をした後、再度たっぷりと水を与えます。この水やりにより、土と根が密接に接触し、根の活着を促進します。

苗をポットから取り出す際は、根を傷つけないように注意してください。また、定植後は強風で倒れないように仮支柱を立て麻紐等で誘因します。

最後にたっぷr水をあたえる。仮支柱を立てて苗を固定する

3.2 ズッキーニの初期の摘果

3.2.1 初期の実は摘果する

初期の成長段階でのズッキーニの実は着果せず摘果してしまいます。摘果した実は花ズッキーニにして食べるのもおすすめです。

この時期、主要な目的はズッキーニの茎を太くし、安定した成長を促すことです。特に梅雨時期前には、苗の成長を積極的に促進します。

摘果後、葉が密集している場合は摘葉します。

初期の実は花ズッキーニにして食べるのもおすすめです。

3.3 ズッキーニの摘葉

3.3.1 収穫が終わった下葉は摘葉する。

下葉を残しておくと風通しも悪くなり病気の原因にもなります。収穫が終わった場所の下葉については取り除きます。

葉が直角より下になった時をかき取ってもよいタイミングになります。支柱を立てる前は葉が茎を支えてる時もありますので気をつけてください。一気にかき取りすぎると弱りますので、取りすぎないように気をつけます。

収穫が終わった実より下の葉は摘み取り通気性を確保します
摘葉のポイント

実を採り終わった場所より下をかき取る
葉が直角より下になったらかき取る

2.3 ズッキーニの授粉作業

蜂や蝶が花粉を運んでくれるので、そのまま自然に身を任せるのもよいのですが、家庭菜園で1株2株くらいですとあまり授粉がうまくいきません。授粉作業をおこなうと着果する確率が高くなります。

2.3.1 雄花の花粉を雌花につける

ズッキーニの雄花の花粉を綿棒等で採種し、雌花につけることにより授粉作業をします。この際、重要な点は花粉を雌花につける作業になります。雄花を摘み取り雌花に接触させるなど方法は人によって様々です。

ズッキーニの花は午前中に咲くので朝に作業するのがおすすめです。

2.7.3 雄花が咲かない時はトマトーンで対応も可

1株で育てていると雌花ばかり咲いて、雄花が咲かずに授粉作業ができない時があります。その場合にはトマトーンを散布することで実を大きくすることがきます。

トマトーンはトマトやナスに有効な植物成長調整剤で、外部から合成オーキシンを与えることで、着果・果実肥大を促進させる薬剤です。ズッキーニにも効果のあります。

2.5 ズッキーニの収穫

2.5.1 ズッキーニ収穫のポイント

1.開花後5~7日後に収穫

ズッキーニは未熟なものを収穫する野菜になるます。着果後は大きくなるのも早く、約5~7日後が収穫適時になります。

2.実の大きさ20cm以下を収穫

大きさの目安は20cm以下位が目安です。これ以上大きくなってくると食味が落ち株にも負担がかかるので注意が必要です。

3.なるべく晴れた日に収穫する

雨の日に収穫すると軟腐病にかかりやすいと言われているのでなるべく晴れた日に収穫します。

4.着果をさせずに花ズッキーニを楽しむ

雌花をつけたまま収穫したとのを花ズッキーニといい花弁と幼果のほんのりした甘さが特徴です。なかなかスーパー等もみかけず、花に肉を詰めて一緒に食べても美味しいです

2.6 ズッキーニの支柱立て

ズッキーニを長く栽培するには、支柱を立てていくことをおススメします。やり方については色々あるのですが、私はある程度大きくなった後に支柱を立てて、茎にくくりつけて垂直に仕立てていく方法をとっています。

ズッキーニは成長点が折れますと復帰できませんので、強風対策として支柱立て作業は重要です。私はこの方法でやっておりますが、とにかく茎を守ることをイメージして色んなやり方をチャレンジしてみてください。

定植から3ヶ月ズッキニーは後期は縦に伸びていきます。

2.7 ズッキーニの追肥

ズッキーニの最初の追肥は実がつき始めた頃がタイミングです。その後、半月に1度くらいのペースに追肥します。

ズッキーニは浅く広く根が広がりますので葉の先の下側に追肥しますと先端部分に栄養を与えることができます。

実がつきはじめたら、追肥作業を

追肥の詳しい手法や考え方については、こちらの記事でより詳しく解説しています。しま農研としても、このジャンルに関しては現在も研究を続けております。知識を深めたい方は、ぜひ当記事を参考にしてください。

2.9 ズッキーニがよくかかる病気

ズッキーニのうどんこ病

症状

うどん粉病はウリ科の野菜によくかかりやすい病気です。白い粉のようなものが葉や茎にふいたような症状がでます。

うどんこ病は、水に弱く乾燥した時にでやすいため真夏や梅雨以外の時期に発生しやすいのが特徴です。

対策

うどんこ病の最も効果的な対策は、発症の広がりを防ぐために摘葉をおこなうことです。細かな摘葉は病気の広がることを回避することができます。

症状が低いものは薬剤を散布しておさえることもできるので、ダニコール等の薬剤に頼るのも対処方の1つです。

注意点

ズッキニーの葉は、うどん粉病の症状と似た模様ですので勘違いしないように注意が必要です。

うどん粉の葉っぱの状態。触ると粉っぽい感じがしますのでそちらで判別します。
ズッキーニの模様はうどん粉病と間違えやすいので注意(こちらはうどん粉病ではありません)

3.ズッキーニの地植え栽培記録

3.1 ズッキーニの地植え栽培レポート

しま農研ではズッキーニの地植え栽培の過程を実際に観察し、「栽培レポート」として詳細にまとめています。このレポートには、月ごとの成長記録や日常のケアの様子が含まれています。これにより、あなたの栽培の参考や目安としての活用ができるようにしています。

家庭菜園には多くの疑問や課題が存在します。そのため、しま農研はこれらの疑問や課題に対して実際の検証や考察を行っております。トマトーンを使ったズッキーニの肥大化に対する観察など、失敗した実例を含む多岐にわたるテーマについてレポートしています。

ズッキーニの地植え栽培に関するさらなる疑問や課題がある方は、ぜひこちらのレポートも参考にしてください。

4.まとめ

この記事では、家庭菜園でズッキーニを栽培するための包括的なガイドを提供しました。ズッキーニは成長が早く他の夏野菜に先駆けて収穫ができるのが魅力の野菜です。また、普段、流通しない花ズッキーや採れたのズッキーニの美味しさを楽しめるのも家庭菜園ならではの醍醐味です。

ズッキーニは授粉をするのは少し手間になりますが、その栽培過程は楽しめ育てることを楽しめます。是非挑戦して栽培を楽しみ美味しいズッキーニを収穫してください。

しま農研では他にも様々な野菜の栽培方法を紹介しており、それらの情報も50音順で整理しています。これにより、どの野菜を栽培したいかにかかわらず、必要な情報を簡単に見つけることができます。家庭菜園に興味がある方は、ぜひこれらの情報を活用して、自分の菜園を充実させてみてください。

読んでいただきありがとうございました!

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