アスパラガスは地下に大きく根を伸ばす多年草で、一度植え付けると毎年収穫できる野菜です。早春に収穫がはじまるため、春の訪れを感じさせてくれ本格的にはじまる家庭菜園の時期のスタートを感じさせてくれます。
長い期間をかけて育てるアスパラガスは、一般的な野菜とは少し異なります。例えば、1年目は苗の生長をおさえるため収穫を控える必要があります。また、地下に大きく根を伸ばすため植え付け場所には注意が必要です。これらのポイントをおさえていけば比較的簡単に育てることが可能です。
この記事では、アスパラガスの定植から収穫、そして翌年に向けての準備までを詳しく解説しています。アスパラガスの葉は非常に美しいため庭の景観にも1役買ってくれます。この記事が、あなたのアスパラガスを育てるお役に立てれば幸いです。しま農研と一緒にアスパラガス栽培をはじめてみませんか?
アスパラガスは長く育てるため、どこに植えるかがポイントです。しま農研ではアスパラガス用に新たな栽培スペースを増設しています。
1.アスパラガスについて
アスパラガスは南ヨーロッパからウクライナが原産地といわれていて、比較的冷涼な気候を好むため寒冷地での栽培にも適している野菜です。
アスパラガスは、大きく根を伸ばしその根から芽がでてきます。多年草のため株を大きく育てるほど収量があがり、10年~15年ほどと非常に長い栽培期間を持っている野菜です。
和名/英語 | アスパラガス |
原産地 | 南ヨーロッパ |
分類 | ユリ科 |
発芽適温 | 20~30℃ |
生育適温 | 15~25℃ |
株間 | 40cm |
畝幅 | 1m |
土壌酸度 | pH6~7.0 |
収穫まで | 1年以上 |
2.地植えでのアスパラガスの栽培計画と準備
アスパラガスを地植えで栽培するにあたり、計画的な準備は成功のための重要なステップです。このセクションでは、地植えにおけるアスパラガスの栽培計画とその準備過程について具体的にご紹介します。
2.1 アスパラガスの栽培時期
アスパラガスの定植に最適な時期は地域によって異なりますが、春植えと秋植えで2回あります。春植えでは3月~4月中旬頃、秋植えでは、10月~11月中旬頃に定植するのが理想的です。
また、アスパラガスは新芽を収穫する野菜です。最初の1年目は株を大きくすることを優先して収穫せずに芽を育てる方法が一般的です。翌年、3月頃から収穫がはじまり、6月頃からはまた翌年のために芽を育てていきます。
2.2 アスパラガスの栽培スペース
アスパラガスの栽培において最も重要なのが栽培スペースです。アスパラガスは、地下に大きく根を広げるため、場所を間違ってしまうと他の植物の生長を阻害してしまうことがあります。また、移動させるのも、難しいため栽培スペースは慎重に選んで選定しましょう。
また、複数植える場合は株間を4約0cm空け、畝幅を1mくらいとる問題なくアスパラガスを育てることができます。
2.3 アスパラガスの土づくり
土づくりは、アスパラガスを含む多くの作物にとって栽培成功の土台を築きます。晩冬から春にかけての土づくりは、じっくりと時間をかけて行うことが望ましいため、植え付け予定日の1ヶ月前には着手しましょう。
適切な土づくりには、雑草の除去、土壌の改良、酸度の調整、そして元肥の施用が含まれます。ただし、アスパラガスは肥料が大好きな野菜のため、堆肥や元肥は多めにいれておくとよいでしょう。定植する場所の根よりさらに下に肥料を埋め込む方法も有効です。
3.地植えでのアスパラガスの育て方
アスパラガスの栽培は、その手軽さと比較的簡単な育成過程で知られています。このセクションでは、アスパラガスを実際に地植えで育てる手順について具体的にご説明します。
3.1 アスパラガスの定植(地植え)
アスパラガスはポットでの定植と大苗という根での定植の2種類あります。少し値段はしますが、大苗で育てた方が成長が早いためおすすめです。
このセクションでは大苗の定植についての手順について解説していきます。
1.大苗への水やり
アスパラガスは乾燥を嫌うため、購入した苗にしっかり水分を吸収させることが重要です。バケツなどに水をいれ1日程度苗を浸します。
これにより、苗が十分に湿り、定植時のショックを最小限に抑えられるようになります。
2.定植場所の準備
植え付ける場所を深さ30~40cm程度掘ります。また、大苗は広げて植え付けるためその穴は大苗の横幅のサイズに合わせて掘ります。
アスパラガスは肥料を非常に好む野菜のため穴の底に元肥を施し5~10cm程度覆土します。
3.大苗の植え付け
購入した苗を大きく広げことがポイントです。苗を深く増えるのではなく放射状に広げることで、れにより根が十分に広がり、健康的な植物が育ちます。
植え付け後に15cmほど覆土します。最後に、水をたっぷりあたえて定植作業は終了です。
3.2 アスパラガスの株の育成(地植え)
アスパラガスは新芽を収穫し、最後に芽を残し、苗を育てることにより株を充実させていきます。1年目は収穫せずに株を充実させることに集中させ2年目以降は、6月上旬頃に収穫を終了し残した芽を育てていきます。
3.3 アスパラガスの支柱立て(地植え)
アスパラガスが強風など倒伏しないよいうに支柱立てが必要です。園芸支柱と麻紐を使って、アスパラガスの倒伏防止の支柱構築できます。ここでは、アスパラガスに適した支柱の準備と組み立て方を解説します。
1.支柱の準備とタイミング
葉や茎が茂ってきて、草丈が60cm程度になったら、支柱立てのタイミングです。
高さ約1.2~1.5mの園芸支柱を50~60cmの間隔で立てます。しま農研では1株分のため4本の支柱を用意しています。
2.支柱立て
アスパラガスが成長している部分を50~60cm間隔で、囲むように四方に支柱を立てます。
その後、立てた支柱にあさ紐を張って囲みます。成長に合わせて、約30cm間隔で2,3段と同じように紐を囲っていきます。
3.4 アスパラガスの追肥
3.4.1 1年目の追肥
アスパラガスの追肥は定植の1ヶ月後、5月頃から1ヶ月ごとに行います。
葉や茎が成長する9月頃まで追肥を続け、その後は追肥作業をやめます。最後に冬越し作業後にお礼肥として追肥をおこないます。
1年目は追肥により生長を促し光合成をさせることにより株を成長させ翌年の収穫を充実させます。
3.4.2 2年目以降
2年目以降は、3回に分けて追肥をおこないます。アスパラガスの新芽がでてくる3月~4月頃に1回目の追肥をおこないます。2回目の追肥はアスパラガスの収穫が終わった6月頃に施します。そして、最後に冬越し作業後にお礼肥として追肥をおこないます。
3.4.3 正しい追肥
上のセクションではアスパラガスの一般的な追肥方法について解説しました。ただし、環境によっても、変わってくることもあり追肥の正しい方法を見つけるためには、経験と知識が求められます。アスパラガスのような野菜を通して、植物の細かな変化を敏感に察知する観察力を養うことができます。これらのスキルが向上すると、ガーデニングがより充実したものになります。
追肥の手法やその背後にある考え方に関しては、別記事でさらに詳しく紹介しています。しま農研では、このテーマについても引き続き研究を進めており、興味のある方はぜひ参照ください。
3.5 アスパラガスの冬越し
冬、寒さで地上部が枯れたら冬を越すための準備にはいります。枯れた部分をはさみで切り取ります。最後にお礼肥として牛ふん堆肥などを施します。最後に株元に土寄せをして根株を冬の寒気から守ります。
3.6 アスパラガスの収穫
アスパラガスは新芽を収穫する野菜です。茎の長さが25~30cm程度になったらつけ根から折りとります。採り遅れると食味が落ちてしまうため、なるべく採り遅れないようにこまめに収穫します。
また、たくさん収穫しすぎると株が弱ってしまうこともあるため注意が必要です。細い芽がでてきたら収穫をやめ株を株の養生させます。株が大きく生長すると収穫時期も長くなり収穫量も多くなります。
4.しま農研のプランターでのアスパラガス栽培:実践編
しま農研では、アスパラガスの地植え栽培を進めており、独自の栽培試みと遭遇するトラブルについての探求を行っています。
この章では、その栽培実践の詳細を共有し、あなたが自家栽培を行う際の参考になるような情報を提供します。
4.1 アスパラガスの混植栽培の観察記録
しま農研では、今年アスパラガスの栽培にチャレンジし生長をリアルタイムに観察していきます。また、混植栽培にも挑戦する予定でこの栽培方法がどのように影響を与えるか、実際の栽培を通じて検証しています。
今後の進展については、しま農研の記事を通じてアスパラガスのリアルタイムで観察記録を共有していきます。本年度、アスパラガスの栽培を予定している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
5.まとめ
この記事では、アスパラガスの地植えによる栽培方法から収穫、冬越しの準備までを詳しく解説しました。アスパラガスは、一度植えると長年にわたって収穫を楽しむことができる多年草です。栽培には栽培計画と適切な準備、定植、育成管理が重要で、特に初年度は収穫を控えて株を充実させることがポイントです。
アスパラガス栽培は、忍耐と栽培への情熱が求められるものの、その努力は春先の美味しい収穫という形で報われます。この記事が、アスパラガス栽培を始めようと考えている方々の参考になり、成功への一助となれば幸いです。
また、しま農研では多様な野菜の栽培方法を紹介しており、それらの記事は50音順で整理しています。どの野菜に興味を持っているかに関わらず、必要な情報を簡単に探すことができます。ぜひとも、これらの情報を参考にしてみてください。
読んでいただきありがとうございました!
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