地植えでのスティックセニョールの育て方:何度も収穫を楽しもう!

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野菜の育て方

スティックセニョールは、ブロッコリーの改良品種で、「茎ブロッコリー」とも呼ばれています。大きな蕾中心に収穫する通常のブロッコリーとは異なり、スティックセニョールは次々と伸びる側枝を少しずつ、そして継続して収穫します。

ほしい分を少しづつ育てる家庭菜園での栽培には最適で、必要な分だけ少しずつ収穫することも可能なので、新鮮な野菜を楽しむことができます。

この記事で、スティックセニョールの栽培における2大要点、「頂花蕾の摘心」と「側枝のこまめな収穫」を中心に、定植や追肥などの基本的な育て方についても詳しくご紹介します。

新鮮なスティックセニョールは味が格別。シンプルに茹でてマヨネーズを添えるだけでも、その深い味わいを堪能できます。ぜひ、この情報を参考にして、絶品のスティックセニョールを収穫してみてください。

しま農研
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スティックセニョールは、継続的に少しづつ収穫でき長く楽しめるので庭などで育てるさいにはおすすめです。しま農研も毎年チャレンジしている野菜です。

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1.スティックセニョールについて

スティックセニョールはスティックタイプのブロッコリーで、地中海原産のブロッコリーを品種改良し日本で生まれた品種です。1990年代に誕生したこの新品種は、別名「茎ブロッコリー」とも呼ばれています。

通常のブロッコリーが先端の大きな蕾を中心に収穫するのに対して、スティックセニョールはわき芽に花がつき、茎ごと収穫することができます。そのため、少しずつでも継続的に収穫が楽しめるのが大きな特徴です。

名称スティックセニョール
原産地日本
分類アブラナ科
発芽適温15~30℃
育成適温15~20℃
株間40~45cm
土壌酸度pH6~6.5
収穫まで約90日

2.スティックセニョールの地植えでの栽培計画と準備

地植えでスティックセニョールを栽培する場合、計画的に準備を行うことが成功への鍵です。この章では、スティックセニョールの栽培計画と準備について具体的に解説します。

2.1 スティックセニョールの地植えでの栽培時期

スティックセニョールの定植に最適な時期は8月下旬から9月頃です。この時期を過ぎてしまうと、生長が遅れ、年内の収穫が難しくなる可能性が高まります。

ただし、植え付けが遅れた場合でも、冬を越して春先に収穫できることもあるので、完全に諦める必要はありません。

2.2 スティックセニョールの地植えでの栽培スペース

スティックセニョールは比較的株間は大きめにとった方がよく育ちます。一般的には、畝幅は70cm、株間45cm以上を確保します。

ただし、これらの間隔は環境条件によって調整が必要です。庭園や大規模な農地だけでなく、家庭菜園の限られたスペースでも工夫次第で効率的な栽培が可能です。

想像よりは大きくなるので広めに株間とるのがおすすめ

2.3 スティックセニョールの土づくり

スティックセニョールを栽培する際、土作りは非常に重要な工程です。以下は、土作りの手順と注意点をまとめたものです。

2.3.1 土作りのスタート時期は早めにおこなう

秋野菜の栽培に先立ち、夏の終わりに土作りを開始することが重要です。。夏野菜がまだ収穫期間中であっても、お盆頃には撤去を検討しましょう。この際、土の中の害虫の卵や根を丁寧に取り除くことが大切です。

時間に余裕があれば太陽熱消毒のような対策を行うことで、さらに土を清潔にすることができます。

夏の日差しで太陽熱消毒するのもよい

2.3.2 pHの調整と肥料の施用

スティックセニョールが好む土の酸度はpH6~6.5です。この範囲に調整するため、有機石灰を撒いてください。その後、スティックセニョールの成長をサポートするために堆肥や肥料を混ぜ込みます。

時間に余裕がない時は、元肥と石灰のみでも十分育ちます。植え付け時期がずれないことを優先しましょう。

植え付け時期に間に合うようにできることはやっておく

2.3.3 さらなる土作りの情報

しま農研では、秋冬野菜のための詳しい土作りの手順を紹介しています。適切な土作りは、スティックセニョールの健全な成長をサポートし、質の良い収穫に直結しますので、ぜひ参考にしてください。

3.スティックセニョールの地植えでの育て方

この章では、スティックセニョールの定植から収穫までの全工程を詳しく解説します。

3.1 スティックセニョールの定植

スティックセニョールは種から育てることも可能ですが、ホームセンター等にも一般的に出回っているため、たくさん育てる予定のない場合やはじめての栽培の時は苗を買うのがおすすめです。株から選ぶ時は、黄色くなっていたり虫食いのないものがよいでしょう。徒長していないかも確認のポイントになります。

スティックセニョールの生育適温は15~20℃です。中間地域では8月下旬から9月頃に定植しするとよいでしょう。

3.1.1 スティックセニョールの定植手順

しま農研では、根の活着を促すため植え付け前のポット、植え付け用の穴、定植後の株のまわりの3回水を与えるようにしています。

1.苗のポットに水をあたえる

植え付け前の1,2時間前に水をあたえて、根に水を吸わすと活着がよくなります。

この際に液体肥料を希釈してあたえるとより活着します。

茎ブロッコリーは株が大きくなるため、株間は45cm位空けるのがおすすめです。

植付前に水をあげておくと活着がよくなります。
2.開けた穴に水をいれて定植する

穴を空けて一度ポットをいれてみて深さを試します。深いようでしたら土を戻してあげて高さを合わせます。

深さが整いましたら、開けた穴に水をいれて定植します。植え付け後は最後にたっぷり水を与えます

深さをきっちり合わせて水をたっぷり与えます

3.2 スティックセニョールの害虫対策:防虫ネットの設置

スティックセニョールによくつく害虫は、スティックセニョールにはアオムシ(モンシロチョウの幼虫)、ヨウドムシ、コナガなどの害虫がよく見られます。スティックセニョールの栽培において、害虫は避けて通れない大きな課題の一つとなります。

特に初期成育時や虫の活動が活発な気温の高い時期はこれらの害虫からスティックセニョールを守るため、防虫ネットの活用が非常に効果的です。特に、支柱を使用してトンネル形状に設置した防虫ネット、いわゆるトンネル被覆は、風通しを保ちつつ害虫の侵入を防ぐことができ、スティックセニョールの健やかな成長をサポートします。

3.3 スティックセニョールの摘心:頂花蕾の管理

スティックセニョール栽培において、頂花蕾の摘心は収穫量を増やすための重要な手法です。このプロセスを怠ると、植物のエネルギーが頂花蕾へ集中してしまい、側枝の成長が抑制されるため、収穫量が減少し、食味も低下するリスクがあります。

3.3.1 主枝の頂花蕾の摘心

植え付けから約1ヶ月後、主枝の頂花蕾が2〜3cmに成長した段階で摘心を行います。このタイミングで花蕾を取り除くことで、植物はエネルギーを側枝の発展に再分配し、より多くの収穫が期待できます。

摘心の際は晴れた日の朝に摘むと、切り取り口からの病気の侵入リスクが低減します。そして、斜めに切取ることで、水滞りのリスクを低減できます。

主枝の真ん中に最初につく蕾が頂花蕾

3.4 スティックセニョールの追肥

3.4.1 スティックセニョールの追肥

スティックセニョールは成長期に適切な追肥を行うことで、健康的な植物の育成と豊富な収穫を実現します。ここでは、追肥のタイミングと方法を詳細に解説します。

初回追肥:植え付けから約3週間後、苗が安定して成長し始めたころに初回の追肥を行います。

二回目の追肥:頂花蕾が形成し始める時期に合わせて、2回目の追肥を実施します。

追肥は、植物の成長が活発になる期間に集中して施すことがポイントです。また、収穫期間中も2週間ごとの追肥を継続することで、植物の生育を助け、持続的な収穫を促進します。

1回目植え付けから3週間目
2回目頂花蕾が形成し始めたタイミング
それ以降それ以降2週間ごと

3.4.2 追肥作業の向上

追肥は植物との対話とも言える作業で、正しい方法を見つけるためには経験と観察が必要です。植物の細かな変化に注意を払い、追肥の技術を磨くことで、野菜とのやり取りがより楽しく、生産的なものになります。

追肥に関するさらに詳しい手法や考え方については、しま農研の別の記事で詳しく解説しています。現在も追肥に関する研究を続けているため、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。

3.5 スティックセニョールの水やり

スティックセニョールは土の状態に応じた適切な水やりが求められます。地植えでおこなう場合はそれほどこまめな水やりは必要ありませんが、土の乾燥を感じた際にはたっぷりと水を与えるようにします。あまり過度な水やりは逆効果で根腐れの原因になるため注意してください。

3.6 スティックセニョールの収穫

スティックセニョールの収穫は、頂花蕾の摘心後、約2週間くらいからスタートです。収穫における2つのポイントを以下に紹介します。

3.6.1 スティックセニョールの収穫のポイント

ポイント1:早めの収穫

開花前に収穫:スティックセニョールは花が開く前に収穫することが重要です。花が開くと栄養が花へと移行し始め、食味が落ちてしまいます。そのため、開花の兆しを見せ始めたらすぐに収穫を行いましょう。

こまめな収穫:特に暖かい時期は、花蕾が迅速に開花するため、日々の観察とこまめな収穫が必要です。

暖かくなると花が開くスピードは速くなるので注意
ポイント2:付け根の葉を残す

スティックセニョールの特徴として、側枝が収穫の対象となります。

その際、葉を残すことによりその付け根からさらに側枝が成長し再び収穫することが可能です。これを繰り返すことにより、継続的な収穫が可能となります。

よくみつよ葉の付け根にわき芽がでてるのが分かります

3.7 スティックセニョールの冬季管理と対応策

スティックセニョールは寒冷期に花蕾が形成されないことがあり、年内の収穫が難しい状況になることも。しま農研の経験からは、冬に成熟しなかったスティックセニョールの扱い方について学びがあります。

3.7.1 待機の価値

冬期に花蕾がつかない場合、撤去ではなく株を保留する選択をします。冬が過ぎ、気温が再び上昇する初春に花蕾が形成されることがあります。しま農研でも2月頃に温暖な気候の影響で豊富な花蕾が形成されることが確認しました。

もし、冬に収穫できないの状況に直面した際には、撤去を急がず待つことで、後々の収穫の機会を逃さない選択も検討してみてください。

4.まとめ

この記事では、スティックセニョール、別名「茎ブロッコリー」の地植え栽培方法について詳しく解説しました。スティックセニョールはその持続的な収穫能力と栽培の手軽さで、家庭菜園に最適な野菜です。定植から土作り、日々のケア、そして適切な収穫方法まで、栽培の各段階における要点を学びました。

しま農研としては、スティックセニョールの栽培を通じて得た知見を共有し続けることで、皆さんの家庭菜園がより豊かで楽しいものになることを願っています。この情報を活用し、新鮮で質の高いスティックセニョールを自分で育て、その味わいを楽しんでください。

また、しま農研ではさまざまな野菜の栽培方法を紹介しています。記事は50音順で整理され、アクセスしやすい形になっています。興味がある野菜の情報も手軽に探せますので、是非ご活用ください。

読んでいただきありがとうございました!

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