こんにちは、しま農研です。私たちしま農研では、毎年30種類以上の野菜を庭で育て、楽しく家庭菜園をしています。
多様な野菜の中でも特に初心者にお勧めしたいのが「しそ(大葉)」の栽培です。この記事では、プランターを利用して簡単に美味しいしそを育てる方法をご紹介します。
しそは成長が早く、少し環境が悪くてもしっかりと育つ強い和ハーブです。また、種から簡単に育てることができます。プランター栽培であれば、スペースが限られている方でもバルコニーや窓辺で楽しむことができます。
この記事では、種まきから収穫までの手順、注意点、そしてしま農研での栽培経験を基にしたコツを詳しく解説しています。しその栽培をこれから始めたい方や、栽培方法を見直したい方に役立つ情報をお届けするので、ぜひ最後までご覧ください。
手軽でスペースもあまりとらないしそは、家庭菜園では育てたいハーブの1つです。夏のそーめんに採りたてのしそは香り高く絶品です!
1.しそ(大葉)について
家庭菜園を始める前に、しその基本的な知識を深めてみましょう。しその原産地や特性を知ることは、その栽培方法を理解し、さらに楽しむために役立ちます。
しその原産地については諸説ありますが、多くの情報源はヒマラヤから中国南部を起源としています。自然状態では日当たりの良い山麓で見られ、肥沃でなくとも成長する強い生命力を持ちます。また、しそは他の植物を抑制する生育特性を持ち、そのため混植には向きません。
しそは一般に赤しそと青しその二種類があり、各々に旬の時期が異なります。青しそは6月から9月にかけて、赤しそは6月から7月にかけてが最も美味しい時期とされています。
名称 | 大葉(シソ) |
原産地 | ヒマラヤ・中国南部 |
分類 | シソ科シソ属 |
発芽温度 | 20~25℃ |
生育適温 | 20~25℃ |
プランター | 標準型 |
pH | pH6.0~6.5 |
収穫まで | 約1ヶ月半 |
1.1 大葉としその違い
「大葉」とは、特に青しその葉を指す言葉で、市場や料理の世界でよく使われます。一方で赤しそは通常「大葉」とは呼ばれません。
この呼び名は、市場で青しその葉をその他の部位と区別するために使われるようになりました。この用語は時間が経つにつれて一般的に広まり、今日では広く使われている名称となっています。
2.しその栽培計画と準備
プランターでしそを栽培する場合、計画的に準備を行うことが成功への鍵です。この章では、しその栽培計画と準備について具体的に解説します。
2.1 しその栽培時期
しその種まきに最適な時期は地域によって異なりますが、中間地域では4月から5月が一般的です。しその発芽には20~25℃の温度が適しており、生育期間中も同様の温度が求められます。種をまいてから最初の2ヶ月は、苗を育てることに重点を置き、その後は適宜収穫を行います。
2.2.1 しそのプランター栽培カレンダー
しま農研では、しそ栽培の経験に基づき、月別の作業と成長の様子をカレンダー形式でまとめています。このカレンダーを参照することで、しその成長過程や必要なケアのタイミングを具体的に理解することができます。
なお、このカレンダーに記載されているデータはしま農研での実際の結果をもとにしています。あなたの環境や条件下での栽培時には参考程度にご利用ください。
2.2 しそのプランターの大きさ
しそを栽培する上でプランターの選択は重要です。しま農研の経験に基づくと、しそは様々なサイズのプランターで育てることができ、プランターのサイズに応じて適応し、成長を見せます。
2.2.1 初心者におすすめのプランターサイズ
種から始める場合、400型の標準サイズのプランターが最適です。
このサイズであれば、しその栽培が初めての方でも安定した収穫を楽しむことが可能です。また、このサイズは管理もしやすく、バルコニーや小さな庭でも十分に取り扱うことができます。
2.2.2 大きめのプランターでの栽培
苗から始める場合は、8号や10号のプランターが適しています。
これらの大きめのプランターを使用すると、しそはより大きく立派に育ちます。
1株を育てるため失敗しないようにしましょう。特に大きくするために肥料をあたえすぎてしまうとかえって失敗することもあるので注意しましょう。
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2.2.2 ばらまき栽培へのアプローチ
しその種は通常多く余るため、大きめのプランターでのばらまき栽培もおすすめです。
この方法では剪定や間引きの必要がなく、芽から始まり花穂までさまざまな段階を楽しむことができます。ただし、この方法では水切れが起こりやすいため、特に真夏の期間はこまめな水やりが必要となります。
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2.1.3 プランターの選び方のコツ
プランターを選ぶ際は、サイズの「号」や「型」の表記を理解することが重要です。プランターの材質や形状も植物の健康に大きく影響します。
こちらの記事では、プランター選びのコツとおすすめのプランターについても詳しく紹介しています。プランター購入を検討している方は、ぜひこれらの情報を参考にしてください。
2.3 しそのプランター栽培の土づくり
プランターで使用する土は、2年目以降も適切な手入れを行えば再利用が可能です。プランター栽培を初めて行う方は、園芸店で取り扱っている野菜用の土を購入するのがおすすめです。
具体的な土の処理としては、土からの古い根を取り除いた後、土の再生材を混ぜ込んで使用します。さらに、太陽熱消毒を行うことで、土の状態をより良くすることができます。具体的な手順や詳細については、別の記事で詳しく解説しています。
3.しそのプランターでの栽培方法
しその栽培は比較的簡単で、種からでも簡単に育てることができます。この章ではしそを実際に育てえる手順について解説していきます。また、人気の高いしその種は園芸店やホームセンターで簡単に手にいれることがきます。
3.1 しその種まき
しそをプランターで栽培する場合、直接土に種をまく「直播」がおすすめです。育苗ポットで苗を育ててから移植する方法もありますが、直播でもしそは十分に育ちます。
種まきの手順は以下の通りです:
- 播種の位置決め:しそは株間を20cm程度空けて育てるのが理想的です。株間を考慮して、種を播く位置を決めます。
- 種の撒き方:予定の箇所に3~5粒ほどの種を撒きます。しその種は光を好む「好光性」のため、種に十分な光が届くようにします。
- 覆土:種を覆う土は薄くすることがポイントです。厚く覆うと種が十分に光を受けられず、発芽しにくくなります。
- 水やり:種をまいたら、軽く水をやります。この際、種が流れないように注意してください。
- 試行錯誤:しその種は1袋に多量に入っているため、異なる播種方法を試してみるのも良いでしょう。これにより、自分にとって最適な方法を見つけることができます。
しそを育苗ポットで作るのもよいですが、直播でも十分育つためしま農研では直播で育てています。
3.2 しその間引き
まず、間引きの適切なタイミングは本葉が2枚展開し始めた頃です。この時期に間引きを行うことで、健康な苗の育成を促すことができます。そして本葉が5~6枚展開した段階で、最終的に1本だけを残し他はすべて間引きます。この方法で、各苗に十分な栄養と成長スペースが確保され、より良い成長を見込むことができます。
間引きは、成長が遅い苗や徒長している苗を優先的に行います。この作業はハサミを使用するか、手で慎重に引き抜くことで、残す苗の根を傷つけないように注意が必要です。
3.3 しその剪定方法
しその剪定は、家庭菜園で育てる場合には必須ではありませんが、収穫量を増やしたり形を整えたりする上で役立つ作業です。しま農研では、しその放置栽培も行っていますが、剪定によって新たな楽しみ方を見つけることもできます。
3.3.1 しその収穫量を増やす摘心作業
しそが一定の大きさ、具体的には草丈が約30cmで茎が5節以上伸びた段階で、主茎の先端を摘み取る摘心作業を行います。この方法により、しそはさらに上に伸びずにわき芽が成長し始めます。わき芽は主茎よりも多くの茎を持つため、結果的に葉の数が増え、収穫量が増加します。
摘心作業は、収穫量を増やすだけでなく、しその形を整えるのにも有効です。
3.3.2 しその穂がでてきたら摘み取る
しそが成長し、一定の大きさに達すると穂が現れ始めます。これらの穂はやがて花となり、最終的には種へと変化します。
植物は種を作ることで自身の生命サイクルを完了させ、その後枯れてしまうことが一般的です。そのため、しそを長期にわたって収穫し続けたい場合には、穂が出たら定期的に摘み取ることが重要です。
穂を摘み取ることで、しそのエネルギーが葉の成長に集中し、結果として葉の量が増え、長期間にわたって新鮮なしそを収穫できるようになります。
3.4 しその収穫
3.4.1 しその葉の収穫のポイント
しその収穫はいたって簡単です。ポイントを以下に解説します。
収穫開始のタイミングの確認
本葉が10枚以上に成長したら収穫を開始します。通常、6月後半頃が収穫の適切な時期です。
収穫方法
下の方から始めて、やわらかい若い葉を選んで摘み取ります。
葉を直接触るのではなく、茎を持って摘むのがポイントです。手で摘むのが難しい場合は、園芸用のハサミを使用します。
摘心と剪定
葉が茂りすぎたり株が大きくなりすぎた場合は、摘心を行って葉の数を調整します。
摘心するとわき芽も伸びるため結果的に収穫量も増えます。通気性をよくし病気や害虫被害を防ぐためにも重要です。
3.5 しその水やり
しそは乾燥に弱いため、水やりは重要なケアの一つです。
特にプランターで育てる場合、土の乾燥に注意が必要です。以下に水やりのポイントをまとめました。
水やりのタイミング:
土の表面が乾いたら水を与えます。
水やりの時間帯:
真夏は朝早くか夕方涼しくなってから水やりをすることをお勧めします。
葉への水やり:
葉が乾燥するとハダニなどの害虫の被害に遭いやすくなります。水やりの際は、葉にも適度に水をかけて、害虫の予防をしましょう。
3.6 しその追肥
一般的に、しその追肥は草丈が約20cmに達し、最初に施した肥料(元肥)の効果が弱まり始める時期に行うことが望ましいです。通常は月に1~2回の追肥が適しています。
ただし、時期における追肥は肥料過多や肥料不足になるためしそを観察しすることも重要です。特に肥料のあたえすぎには注意が必要です
アブラムシがつきすぎていたり、葉の色が濃すぎる時は肥料過多の可能性があります。肥料不足のサインには成長の鈍化や葉の香りの弱まりが含まれます。
3.6.2 追肥作業の向上
追肥は植物との対話とも言える作業で、正しい方法を見つけるためには経験と観察が必要です。植物の細かな変化に注意を払い、追肥の技術を磨くことで、野菜とのやり取りがより楽しく、生産的なものになります。
追肥に関するさらに詳しい手法や考え方については、しま農研の別の記事で詳しく解説しています。現在も追肥に関する研究を続けているため、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
3.7 しその日当たりと育成環境
しその成長に最適な環境を整えるためには、日当たりと風通しを重視することが大切です。しそは日当たりが良く風通しの良い場所を好む一方で、半日陰の環境でも育つ柔軟性を持っています。半日陰で育つしそは、葉が柔らかくなり、味もマイルドになる傾向があります。このため、柔らかい葉を好む方は、半日陰での栽培を選択することもあります。
また、夏の強い日差しはしそにとって厳しい条件になり得ます。特に日中の暑さが厳しい時期には、しそが葉焼けを起こす可能性が高まります。このような場合、しそのプランターを半日陰の場所へ移動させることで、過度の日焼けから守り、健康な成長を促すことができます。
3.8 しその種とり
来年も栽培を楽しむためにしその種取りをしてみるのもよいでしょう。収穫の最終段階で、種取りのためにしその実を育てることが始まります。この実から大葉の種を収穫することができます。
収穫後、これらの実をしっかりと乾燥させることが重要です。乾燥が完了したら、実を新聞紙や紙の上で軽くたたくことで、種が簡単に落ちてきます。これにより、種を効率的に収集することができます。収穫した種は、湿気が少なく、安全な場所に袋に入れて保管します。
この方法により、しその種は次の栽培シーズンまで新鮮な状態を保つことができ、翌年も再び栽培を楽しむことが可能になります。
4.しま農研のプランターでのしそ栽培:実践編
しま農研では、しそのプランター栽培に関する実践を進めており、独自の試みや遭遇するトラブルについて探求しています。この章では、その栽培の実際の様子を共有し、あなたがしそ栽培を行う際の参考になることを目指します。
しま農研はしその栽培を毎年色んなアプローチで栽培しています。失敗も成功もこの栽培レポートにて共有しています。
4.1 しそプランター栽培の観察記録
しま農研でのしそのプランター栽培は、日々の観察に基づいてその成長プロセスをリアルタイムで記録しています。これにより、効果的な栽培方法を継続的に改善し、最適な技術を見つけ出す試みが進行中です。
これらのしその観察記録を、あなたが自身の栽培で生長比較などの情報源として参考にしてください。
4.2 しそのプランター栽培レポート
しま農研ではしそのプランター栽培の過程を実際に観察し、「しそのプランター栽培レポート」として詳細にまとめています。このレポートには、月ごとの成長記録や日常のケアの様子が含まれています。これにより、あなたの栽培の参考や目安としての活用ができるようにしています。
家庭菜園には多くの疑問や課題が存在します。そのため、しま農研はこれらの疑問や課題に対して実際の検証や考察を行っております。例えば、ししとう品種による成長や収穫の比較など失敗した実例を含む多岐にわたるテーマについてレポートしています。
5.しま農研のプランターでのしそ栽培:動画編
しま農研では、しその栽培をもっと身近に感じてもらうために、ショート動画を作成しました。これまでの記事でお伝えしてきた内容を、もっと簡単で視覚的にも楽しめる形でまとめています。
しその栽培を一から学びたい方や、記事だけではイメージしづらかった方も、この動画を見れば栽培のポイントがすぐにつかめます。動画ならではの直感的な理解を支えるために、具体的な栽培の様子を紹介しています。
5.まとめ
この記事を通じて、家庭菜園でのしそ栽培について詳しく解説しました。しそはその育てやすさと用途の多さから、家庭菜園初心者にも特におすすめのハーブです。その爽やかな香りと風味は、夏の料理を一層引き立てます。
しま農研では毎年しそを育てており、その新鮮な葉を夏の料理に活用することを楽しみにしています。この記事があなたのしそ栽培に役立ち、美味しいしそを自宅で楽しむ手助けとなれば幸いです。
さらに、しま農研では多種多様な野菜の栽培方法を提供しています。これらの情報はアクセスしやすく整理されており、特定の野菜の栽培に必要な情報を簡単に見つけることができます。家庭菜園に興味がある方は、ぜひこれらの情報を参考にして、自分だけの豊かな菜園を楽しんでください。
読んでいただきありがとうございました!
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