剪定で差がつく家庭菜園でもできる地植えきゅうり栽培のコツ

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野菜の育て方

夏野菜の定番として人気の高いきゅうりは、多くの方が栽培にチャレンジしたいと考えていますが、意外と手軽に始められるのをご存じでしょうか?

きゅうりは成長が早く、少ない株数からでもたっぷりと収穫を楽しむことが可能です。特に、新鮮なきゅうりのシャキシャキとした食感と味わいは、自家栽培ならではの醍醐味です。

豊富な収穫の秘訣は、適切な剪定にあります。この記事では、剪定の基本から土づくり、日々のケア、そして実際にきゅうりを育てる過程を詳細にわたって案内します。しま農研の綿密な栽培レポートも交えながら、地植えできゅうりを栽培する際のノウハウを共有します。

このガイドを手に、あなたの家庭菜園もきゅうりで溢れることのお手伝いができれば幸いです。ぜひこの情報を活用して、美味しいきゅうりの収穫を目指してください。

しま農研
しま農研

しま農研でも毎年育てているきゅうり。剪定方法は覚えてしまえば難しくないのでぜひチャレンジしてみてください。

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1.キュウリについて

きゅうりの原産地はヒマラヤ山麓、現在のネパール辺り、温暖で湿潤な樹林の中で原種は繁殖しています。きゅうりの歴史は古く3000年前から栽培されており、日本へは平安時代に栽培されていた記録が残っています。

原産地は多湿のため水や肥料を豊富に必要とすします。日当たりについても、ナスやトマト等の夏野菜に比べては日照時間が短くても楽しめると言われています。また、根は浅く広がる特長があるので、株間50cm以上のなるべく大きなスペースを確保する必要があります。

和名/英名キュウリ/Cucumber
原産地ヒマラヤ山麓
分類ウリ科きゅうり属
発芽地温25~30℃
生育適温22~28℃
株間50cm
プランター深型
pHpH6~6.5
収穫まで約1ヶ月
ポイント

温暖で湿潤な樹林が出身のきゅうりは日本で育てやすい野菜の1つ

2.きゅうりの育て方

2.1 きゅうりの栽培計画と準備

きゅうりは暖かい気候を好み、最適な生育温度は22~28℃です。日本の気候に合わせて、定植は気温が安定して暖かくなる5月初旬を目途にすると良いでしょう。特に働きながら家庭菜園を楽しむ方には、ゴールデンウィークの休暇を利用して作業を始めるのが適しています。順調に成長すれば、収穫は6月から始まることが期待できます。

もし同じ場所に秋冬野菜を続けて栽培計画があるなら、きゅうりの株を8月のお盆前に撤去することで、次の作物への転換をスムーズに行えます。

2.1.1 きゅうりの地植え栽培カレンダー

しま農研でのきゅうり栽培経験を基に、月別の具体的な作業と成長の様子をカレンダー形式でまとめました。このカレンダーを参照することで、きゅうりの成長の進行や、それに伴うケアのタイミングを具体的にイメージすることができます。

栽培を始める前に、このカレンダーを用いて予習することは、成功への第一歩となります。なお、このカレンダーに記載されているデータはしま農研での実際の結果をもとにしています。あなたの環境や条件下での栽培時には参考程度にご利用ください。

2.1.2 きゅうりと一緒に植える野菜を選ぶ

家庭菜園は限られたスペースを有効活用するため、様々な野菜を混植することもおすすめのテクニックです。相性の良い異なる種類の野菜を同じ場所に植えることで、害虫の抑制や土壌の栄養バランスを保つなどの利点があります。きゅうりと相性の良いコンパニオンプランツ(共栄植物)として、エダマメ、パセリ、パクチー、チャイブ、マリーゴールド、九条ネギが挙げられます。

これらの野菜を用いたきゅうりの混植栽培について、実際にしま農研で行った栽培の結果をレポート形式で別の記事で紹介しています。作付け位置やそれに伴う成長の様子、そしてその効果や失敗についての詳細を公開しています。あなたがきゅうりの混植栽培を試みる際には、是非ともこちらの記事を参考にしてみてください。

2.1.3 きゅうりの品種を選ぶ

きゅうりを品種を選ぶ時に、少し意識しておきたいのが、主づる型と側枝型でそれぞれ特徴が違うため、育てる場所によって選定します。一般的に主づる型は根や葉があまり広がらない短期決戦型、側枝型は葉や根が横に広がり長く楽しめる品種になります。

現在、様々なきゅうりの品種が存在しています。今回は、しま農研で実際に育てた経験のある品種をいくつか紹介しますが、他にも魅力的な品種が多数ありますので、園芸店での探索もおすすめします。

品種メーカー詳細
夏すずみタキイ種苗きゅうりの品種の中の代表選手。病気にも強く育てやすくみずみずしくて美味しい。側枝からもたくさんとれる側枝型タイプ。
コクうまサントリー本気野菜主枝と子ヅルにバランスよく着果する側枝型タイプ。通常のきゅうりと味が違って名前の通りコクがある。
なるなるナント種苗雌花のつきもよくその名のとおりたくさん実がなる品種。初心者でも手軽に育てることができる。

2.1.4 きゅうりの苗の選び方

良質な苗を選ぶことは、その後の生育や収穫において非常に重要です。適切な苗を選ぶことで、栽培がスムーズに進み、病害虫のリスクを低減できるでしょう。

特に、きゅうりには「接ぎ木苗」という種類が市場に多く出回っています。接ぎ木苗は、異なる2つの植物を組み合わせて作られ、一般的に環境の変化や病害虫に対して強いとされています。このため、初心者の方にとっては特におすすめの選択となります。

選び方のポイント詳細説明
本葉の状態濃い緑色、しわやしおれがない。病気や害虫被害がない
茎の太さと節間の長さ節間が長い徒長気味の苗はさける。茎が太く節間の短い苗を選ぶ
子葉の存在子葉が大きいもの(接ぎ木苗は4枚ある)
接ぎ木苗初心者におすすめ。病気や連作障害に強い

2.1.5 きゅうり栽培の土づくり

土作りは栽培成功の基盤を築くために、きゅうりを含む多くの野菜にとって必要不可欠なステップです。特に晩冬、春からはじめる土づくりは期間をかけてじっくりとおこなうことがおすすめです。遅くとも定植予定日の1ヶ月前には準備にとりかかりましょう。

土作りは、雑草の除去から始め、土壌改良、酸度調整、元肥の施用といったステップに分けておこないます。これらの手順については別の記事に詳しくまとめています。土づくりのさいはぜひこちらの記事を参考にしてください

2.3 きゅうりの定植

きゅうりの苗を定植するときのは、根が活着することを意識することが大切です。各工程で水をこまめにあたえてあげると根の活着がよくなります。

定植のポイント

植え付け前のポット、植え付け用の穴、定植後の株のまわりの3回水を与え根の活着を促進する

2.3.1.苗のポットに水をあたえる

植え付け前の1,2時間前に水をあたえて、根に水を吸わすと活着がよくなります。

この際に液体肥料を希釈してあたえるとより活着します。

定植の1,2時間前に苗に水を与えておきます

2.3.2 穴を空けて水をいれる

穴を空けて一度ポットをいれてみて深さを試します。深いようでしたら土を戻してあげて高さを合わせます。圧着する部分やポットの土の高さもイメージしましょう。何度かやってると慣れてきます。

深さが整いましたら、根の活着をよくするために開けた穴に水をいれます。

穴を空けて深さを確認。穴にも水をいれます。

2.3.3 最後にたっぷり水をあげる

根が白い状態かねを確認します。根が赤かったり、茶色だったりすると既に病気の可能性あります。問題がなければ定植します。接木苗の場合は接ぎ木部分に土がかぶらないようにします。

必要であれば、仮支柱をたてます。最後に根を活着しやすくするため水を与えます。

接ぎ木部分は土がかぶらないように注意!最後に水を与えます

2.3 地植えでのきゅうりの支柱立て

2.3.1 木材を使ってネット支柱DIYする

お庭できゅうりを栽培する場合、少しの工夫でオリジナルのネット支柱をDIYするのも良いでしょう。木材を使用すると、お庭の雰囲気も一新され、素敵な外観を楽しむことができます。

DIYの詳細な方法は、こちらの記事にまとめてありますので、参考にしてみてください。コストもさほどかからないため、手作りの楽しさを味わいながらチャレンジすることをおすすめします。

しま農研ネット支柱第一号。改良の余地はありそうです。

2.3.2 一般的な園芸支柱を使った合唱仕立て

園芸支柱を使用して、きゅうりのためのネット支柱を簡単に構築することができます。ここでは、少し手順が複雑な合掌仕立てについてご紹介します。

1.支柱の準備

まず、高さ約2~2.4mの支柱を2本、50cm間隔で用意します。また、植えるスペースに合わせて、横に渡すための支柱を1本用意します。例えば90cmのスペースに植える場合は、長さ2mの支柱を6本と、長さ1mの支柱を1本準備することになります。

2.支柱の組み立て

植える場所の内側両サイドに、支柱を斜めに立てて交差させ、土に約20~30cmの深さで固定します。交差させた支柱の上部を水平に合わせ、横に1本の支柱を渡します。交差している部分は全て紐やワイヤーでしっかりと結びつけ、固定します。

2.4 きゅうりのつるの剪定と摘葉

きゅうりの剪定と摘葉は、たくさんの収穫を得るため、そして株を長く健康に保つためにとても重要です。剪定は、株に負担をかけないようにし、通気性を良くして病気を予防し、光合成が行いやすい環境を作ることを目的として行います。

今回は側枝がたくさん伸びる側枝型のきゅうりの管理方法について説明していきます。

しま農研
しま農研

こまめな剪定と摘葉でたくさんのきゅうりを収穫しよう!

2.4.1きゅうりの5節目までの手入れ

苗が小さいうちは、きゅうりの実を早くつけると、苗が体力を消耗し、成長に遅れが出てしまうことがあります。

そのため、5節目までの子づるや雌花は全て取り除きます。

5節目までの実や花は全て取りのぞきます

2.4.2 きゅうりの6節目からの手入れ

6節目以降は、子づるや孫づるについた実は2つだけ収穫し、残りは取り除きます。収穫した実の上にある葉は1枚残して、そこで摘心します。

慣れてくれば株の生育や葉の茂りに合わせて放任したり、1果で摘心したり応用していき色んな方法を試してみるのもよいでしょう。

2.4.3 きゅうりの20節を目安に摘心する

大体20節目で摘心するとよい言われていまが、育てている環境に合わせた高さで摘心します。

摘心後は子づるや孫づるが一気に伸びてきますので上記作業を繰り返します。

定植から2ヶ月後くらいが摘心のタイミングになります。

2.4.4 葉の摘葉

黄色くなったり茶色くなったりした葉は、老化の兆しであり病気の原因になることもあるため、適宜摘葉します。

また、葉が密集し過ぎて通気性や光合成が阻害されそうな場合も摘葉することが推奨されます。

通気性と光合成を意識して剪定と摘葉をおこないます

2.4 きゅうりの収穫

2.4.1 きゅうりは早めの収穫を心がける

きゅうりは若いうちに収穫するのが理想です。実が大きくなり過ぎると食味が落ち、株への負担も大きくなるため、できるだけ早めに収穫することが重要です。このように早めに収穫することで、株が次の果実をつけやすくなり、多収穫につながります。

各品種によって適切な収穫時期やサイズが異なりますが、一般的なきゅうりは花が咲いてから約5~10日が収穫の適期とされています。収穫の目安としては、長さが15~20cm、太さが2~3cm程度になったら適切な時期と言えます。

収穫が適期を過ぎると、きゅうりは急速にサイズが大きくなり、種が発達してしまいます。また、味が落ちるだけでなく、株に余計なエネルギーを消耗させる原因にもなるので注意が必要です。

ですから、定期的にきゅうりの成長をチェックし、最適なタイミングで収穫を行うようにしましょう。

葉の影に隠れて採り忘れることがあるので注意です
生育がいいと5日ほどで収穫できる大きさに成長します

2.5 きゅうりの種採り

きゅうりの栽培期間が終わりに近づくと、きゅうりを完熟させて収穫することを検討してみるのはどうでしょうか。きゅうりは古くから「黄瓜」と表記されるように、黄色く完熟した状態で収穫するのが伝統的な楽しみ方でした。この歴史を思いながら、完熟きゅうりを食べるのは、家庭菜園の大きな喜びのひとつです。ただし、秋冬の野菜を植える予定がある場合は、時間が限られているかもしれませんので、撤去を早めに決断することも大切です。

完熟したきゅうりは種取りにも適しています。これらの種を来シーズンの苗作りに使用することで、家庭菜園をもっと経済的に楽しむことができます。種の採取方法に関しては、私が別途執筆した記事で詳しい手順を紹介していますので、ぜひ参照してみてください。種採りは、来年の栽培計画を立てる上での第一歩となり、家庭菜園のサイクルをより一層楽しむことができます。

2.5 きゅうりの水やりと追肥

2.5.1 きゅうりの水やり

きゅうりは浅い根を持つため乾燥に敏感です。地植えの場合、プランター栽培に比べて水やりの頻度は減るかもしれませんが、土の表面が乾燥しているようなら水をたっぷりと与えることが重要です。

水不足になると葉がしおれたり、植物全体の生命力が低下する恐れがあります。しかし、適切に水やりを行えば植物は回復します。

地植えは水やりはある程度大丈夫ですが、たっぷり与えるのがコツ

2.5.2 きゅうりの追肥

追肥はきゅうりの生育と品質維持に不可欠です。具体的なタイミングとしては、初めての実がつき始めてから2週間おきに追肥をすることが推奨されます。

きゅうりの株の様子を観察し、葉の色が褪せたり実が曲がったりすると、それは肥料不足を示している可能性があります。その一方で、つるや葉が異常に大きくなる一方で雌花がつかない場合は、肥料の過剰が原因かもしれません。

曲がったきゅうり。肥料不足を疑います
肥料過多適正肥料不足
つるや葉ばかり大きくなり雌花がつかない右左の症状がない葉の色があせる。キュウリが曲がる

追肥作業は深く、正しい方法を見つけるためには多くの経験と知識が必要です。追肥に関する学びは、植物の微細な変動や状態を敏感に捉える観察力を身につけるプロセスでもあります。このような観察のスキルが研ぎ澄まされると、植物との日々のやり取りがより豊かで楽しいものに変わってきます。

追肥の詳しい手法や考え方については、こちらの記事でより詳しく解説しています。しま農研としても、このジャンルに関しては現在も研究を続けております。知識を深めたい方は、ぜひ当記事を参考にしてください。

2.6 きゅうりのプランター栽培

この記事では地植えのきゅうりの育て方についてご紹介しました。プランターでのきゅうり栽培は地植えと基本的な育て方は同じですが、いくつか注意すべきポイントがあります。プランター栽培の場合は、プランター選びや水切れについて注意が必要です。

しま農研ではきゅうりのプランター栽培についての専用記事も作成しています。プランターできゅうりを育てる方はこちらも参考にしてください。

3.きゅうりの地植え栽培記録

3.2 きゅうりの地植え栽培レポート

しま農研ではきゅうりの地植え栽培の過程を実際に観察し、「栽培レポート」として詳細にまとめています。このレポートには、月ごとの成長記録や日常のケアの様子が含まれています。これにより、あなたの栽培の参考や目安としての活用ができるようにしています。

家庭菜園には多くの疑問や課題が存在します。そのため、しま農研はこれらの疑問や課題に対して実際の検証や考察を行っております。家庭菜園で地植えするきゅうり、何株が適切かや、茎の折損や裂けた時の対応とその後、プランターと地植えでの収穫数の比較など失敗した実例を含む多岐にわたるテーマについてレポートしています。

きゅうりの地植え栽培に関するさらなる疑問や課題がある方は、ぜひこちらのレポートも参考にしてください。

4.まとめ

この記事を通して、きゅうりの地植え栽培について幅広く解説しました。土作りからコンパニオンプランツの利用、栽培計画の策定、剪定作業に至るまで、多角的に栽培方法を掘り下げました。さらに、実際にしま農研が育てたきゅうりのレポートも共有することで、実践的な知見を提供しました。

きゅうりは夏野菜の中でも特にしま農研で注力している作物であり、毎年の栽培を通じて得られた経験をこの記事に反映させています。この記事が、あなたのきゅうり栽培の参考になれば幸いです。

なお、しま農研では多種多様な野菜の栽培ガイドを提供しており、これらは50音順に整理されています。どの野菜を栽培しようと決めているかにかかわらず、必要な情報が手軽に見つかりますので、ぜひお役立てください。

読んでいただきありがとうございました!

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