地植えでのしその育て方:適切な剪定で収穫を増やそう!

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野菜の育て方

しそは、日本の食卓には欠かせない和ハーブで薬味などでもよく使われます。真夏の暑い時期に冷たいそーめんと採れたての香り高いしそは、しま農研でも毎年の楽しみの1つになっています。

地植えでしそを栽培する際は、あまり株間をとらないのでコンパニオンプランツを採用して相性のいい野菜と一緒に育てるのもおすすめです。また、一度育てるとそのこぼれ種で翌年も発芽することが多いのでデッドスペースがあれば毎年同じ場所で育てるのもよい選択です。

この記事では、しその地植えでの育て方を種まきから剪定、収穫までを詳しく解説しています。しそは比較的育てやすい植物になりますので、ぜひ挑戦して採れたての香り高いしそを収穫しましょう!

しま農研
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しそは2株あれば家庭では十分な量を収穫することができます。夏はしそに合う美味しい料理がたくさんあるのでぜひ育てて採れたてのしそを味わってください!

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1.しそについて

しその原産地はヒマラヤから中国南部にかけての山麓であり、乾燥して痩せた大地に大規模な群生を形成しながら自生しています。厳しい環境下で育ったしそは、優れた吸肥力を持ち、根を深くまで伸ばして水分を求めます。この性質から、しそは肥料を少なめにしても十分に育つ、環境変化に強い植物であることがわかります。

しそは主に赤しそと青しその二種類に分けられ、それぞれに独特の用途と魅力があります。青しその旬は6月から9月にかけてで、特に夏場の料理に爽やかな風味と彩りを添えます。一方、赤しそは6月から7月が旬で、梅干しの色付けや飲料の色素として利用されることが多いです。それぞれのしそが持つ特徴を活かして、さまざまな料理に取り入れることができます。

月とされています。

名称大葉(シソ)
原産地ヒマラヤ・中国南部
分類シソ科シソ属
発芽温度20~25℃
生育適温20~25℃
株間20~30cm
畝幅60cm
pHpH6.0~6.5
収穫まで約1ヶ月半

2.地植えでのしその栽培計画と準備

しそを地植えで栽培する場合、計画的に準備を行うことが成功への鍵です。この章では、地植えでのしその栽培計画と準備について具体的に解説します。

2.1 しその栽培時期(地植え)

しその種まきに最適な時期は地域によって異なりますが、中間地域では4月から5月が一般的です。しその発芽には20~25℃の温度が適しており、生育期間中も同様の温度が求められます。

種をまいてから最初の2ヶ月は、苗を育てることに重点を置き、その後は適宜収穫を行います。

2.2 しその栽培スペース

しそは高さが50~60cmになり、横にもある程度広がることができます。少しのスペースがあれば、コンパニオンプランツを活用するなどして、さまざまな場所で育てることが可能です。

畑や家庭菜園で育てる場合、一般的に畝幅(横幅)は60cm、株間(縦幅)は20~30cm程度を確保します。これにより、しそが健康に成長するための適切なスペースを提供できます。

2.3 しその土づくり

土づくりは、しそをはじめとする多くの野菜の栽培成功の基盤となります。特に、晩冬から春にかけて行う土づくりは、時間をかけてじっくりと行うことが望ましいです。定植予定日の少なくとも1ヶ月前には準備を始めましょう。

土づくりは、雑草の除去、土壌改良、酸度調整、元肥の施用といったステップで行います。これらの手順については別の記事で詳しく説明しています。しそはそれほど肥料を必要としないため元肥や堆肥については控えめにしするとよいででしょう。

3.地植えでのしその育て方

しその栽培は比較的簡単で、種からでも簡単に育てることができます。この章ではしそを実際に育てえる手順について解説していきます。また、人気の高いしその種は園芸店やホームセンターで簡単に手にいれることがきます。

3.1 しその種まき(地植え)

しその種まきには、直接土に種を蒔く「直播」方法をしま農研では採用しています。直播のポイントは種まき時期で、発芽に最適な温度は20~25℃のため、4月中旬から5月上旬にかけて行います。これより早い時期に植え付ける場合は、育苗してから定植するとよいでしょう。

以下、しその直播の手順について詳しく解説します。

3.1.1 しその種まき手順

1. 種のまき

育てる位置を決めたら、種を蒔いていきます。しその種は光を好む好光性種子のため、種が十分に光を受けられるように浅めに蒔くことが重要です。

予定の箇所に0.5~1cmほどの穴を開けて、3~5粒ほどの種を撒きます。

薄めにかけるのがポイント。種の数は間引きで対応できる
2.覆土と水やり

種を覆う土は薄くすることが重要です。薄く土をかけたら、手のひらで軽く押さえて鎮圧します。

最後に、種が流れないように注意しながら軽く水を与えます。また、種の流出を防ぐために、不織布などをかける方法もあります。

種が流れないようにも水量は気をつける

3.2 しその間引き(地植え)

間引き作業は健康な苗の育成を促す上で重要です。間引きは、成長が遅い苗や徒長している苗を優先的に行います。この作業はハサミを使用するか、手で慎重に引き抜くことで、残す苗の根を傷つけないように注意が必要です。

また、適切な時期に間引くことが間引きのポイントになります。この章ではしその間引きのタイミングについて解説していきます。

3.2.1 しその間引きのタイミング

1回目の間引き

1回目の間引きは、本葉が2枚展開し始めた頃に行います。芽と芽の間が3~4cm程度になるように、元気な芽を2~3本残し、それ以外は間引きます。このタイミングで間引いた芽は「芽じそ」として、香り高くお刺身のつまなどにも使用されます。

2回目の間引き

2回目の間引きは、本葉が5~6枚展開した段階で、最終的に1本だけ残し、他は全て間引きます。この1本を大きく育てていきますので、一番元気そうな苗を残しましょう。間引いたしそは捨てずにサラダなどに混ぜて楽しむこともおすすめです。

3.3 しその剪定

地植えでしそを育てる場合、大きく育つため剪定を覚えておくと収量を増やし生長をコントロールできます。ここでは、しその剪定についてのポイントを解説します。

3.3.1 しその剪定のポイント

1.主茎の摘心

しそが草丈約30cmに達し、茎が5節以上(葉が10枚以上)伸びたら、主茎の先端を摘み取る「摘心」作業を行います。

これにより、しそはさらに上に伸びず、わき芽が成長し始め、葉の数が増えて収穫量が増加します。

2.収穫時に適宜摘心

主茎を摘心後、わき芽が伸びてきます。収穫時に伸びすぎた箇所は適宜摘心して形を整え、生長をコントロールします。

他の野菜や一緒に植えているしその生長の邪魔にならないよう剪定することがポイントです。

3.しその穂がでてきたら摘心

しそが一定の大きさに達すると、穂が現れ始めます。穂から花が咲き、種が形成されると、植物は生命サイクルを完了し枯れてしまいます。

長期にわたってしそを収穫したい場合は、穂が出たら定期的に摘み取ることが重要です。

3.5 しその収穫

しその収穫は、葉を摘み取るだけなので、難しい作業ではありません。収穫の時に、葉が茂りすぎたり株が大きくなりすぎた場合は、摘心を行って葉の数を調整してください。ここではしその収穫のポイントを解説します。

3.5.1 しその収穫のポイント

1.収穫開始のタイミングの確認

本葉が10枚以上に成長したら収穫を開始します。通常、6月後半頃が収穫の適切な時期です。しそを使いたいタイミングで収穫すると香り高いしそを収穫することができます。

2.収穫方法

収穫は下の方から始めて、やわらかい若い葉を選んで摘み取ります。葉を直接触るのではなく、茎を持って摘むのがポイントです。手で摘むのが難しい場合は、園芸用のハサミを使用するとよいでしょう。

3.穂じそ、実じその収穫

葉を使用して最後には穂じそや実じそを収穫するのもよいでしょう。花穂が伸び、半分程度開花したら収穫するのが穂じそになり、実シソは花が咲き終わり、実ができてから収穫できます。

3.6 しその追肥

しその追肥は収穫がはじまったころからおこないます。ただし、地植えの場合は葉の様子をみながら適宜追肥をすることがおすすめです。定期的に追肥作業をすると肥料過多になる場合も多く、肥料分が多いしそは害虫によるリスクが高まります。

葉の色が濃すぎる時は肥料過多の可能性があります。肥料不足のサインには成長の鈍化や葉の香りの弱まりが含まれます。しそを観察して追肥のタイミングを見極めるることも重要です。

追肥作業は深く、正しい方法を見つけるためには多くの経験と知識が必要です。追肥に関する学びは、植物の微細な変動や状態を敏感に捉える観察力を身につけるプロセスでもあります。このような観察のスキルが研ぎ澄まされると、植物との日々のやり取りがより豊かで楽しいものに変わってきます。

追肥の詳しい手法や考え方については、こちらの記事でより詳しく解説しています。しま農研としても、このジャンルに関しては現在も研究を続けております。知識を深めたい方は、ぜひ当記事を参考にしてください。

3.7 しその日当たりと育成環境

しその成長に最適な環境を整えるためには、日当たりと風通しを重視することが大切です。しそは日当たりが良く風通しの良い場所を好む一方で、半日陰の環境でも育つ柔軟性を持っています。

半日陰で育つしそは、葉が柔らかくなり、味もマイルドになる傾向があります。このため、柔らかい葉を好む方は、半日陰での栽培を選択することもあります。

3.8 しその種とり

来年も栽培を楽しむためにしその種取りをしてみるのもよいでしょう。収穫の最終段階でしその種をとるために実を成熟させることを始めます。この実から大葉の種を収穫することができます。

収穫後、これらの実をしっかりと乾燥させることが重要です。乾燥させた実から、実を新聞紙や紙の上で軽くたたくことで、種が簡単に落ちてきます。これにより、種を効率的に収集することができます。収穫した種は、直射日光が当たらず、湿気が少ない冷暗所に袋に入れて保管します。

また、地植えで同じ場所で育てる時には、枯れるまでそのまま放置しておくとそのこぼれ種で芽がでてくることも多いのでおすすめです。

4.しその混植栽培

コンパニオンプランツを活用した混植栽培は、限られたスペースを最大限に利用し、病害虫のリスクを低減させると同時に、野菜の生育を促進する効果が期待できます。さらに、多種多様な野菜を収穫できるため、家庭菜園での多彩な楽しみを提供するおすすめの方法です。

しま農研では、今年しそと相性の良いサツマイモとの混植栽培に挑戦しています。この作付け方法が両者の生長にどのような影響を与えるかを検証していきます。また、しそはサツマイモ以外にも相性のよい野菜が多く、ナス科やウリ科などでの混植もおすすめです。

今後の進展については、しま農研の記事を通じてリアルタイムで観察記録を共有していきます。本年度、しそ栽培を予定している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

5.まとめ

この記事では、しその地植え栽培方法について、種まきから収穫、剪定方法さらには混植栽培に至るまでを詳しく解説しました。しそは、比較的簡単に育てられる和ハーブであり、その香り高い葉は日本の食卓に欠かせない存在です。適切な時期に種をまき、適切な間引きと剪定を行うことで、健康的に成長し、豊富な収穫を得ることが可能です。

しそ栽培は、育てる過程そのものを楽しむことができるだけでなく、採れたての新鮮なしそを使った料理で、食卓を豊かに彩ることができます。ぜひこの記事を参考に、あなたもしその栽培にチャレンジしてみてください。しま農研はこれからも、皆さんの家庭菜園がより豊かになるような情報を発信していきます。

また、しま農研では多様な野菜の栽培方法を紹介しており、それらの記事は50音順で整理しています。どの野菜に興味を持っているかに関わらず、必要な情報を簡単に探すことができます。ぜひとも、これらの情報を参考にしてみてください。

読んでいただきありがとうございました!

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