こんにちは、しま農研です。しま農研では家庭菜園に特化し、役立つ情報を様々な記事で発信しています。この記事では、プランターでのイチゴの栽培に焦点を当て、詳しく解説していきます。
イチゴは、涼しくなる10月頃に植えることで、春から初夏にかけて収穫を楽しむことができる果物です。これにより、春に始まる夏野菜のシーズンよりも一足早く収穫の喜びを味わうことができ、家庭菜園シーズンのスタートを感じさせてくれます。地植えでも栽培は可能ですが、プランターを使った栽培も十分成功するための方法があります。
この記事を通じて、イチゴの定植から冬越し、そして収穫までの詳細な手順を解説します。春に美味しいイチゴを収穫するために、このガイドが役立つことを願っています。
イチゴの赤い実は菜園に彩りをあたえてくれます。お庭やベランダなどで育てるのもおすすめです!
1.イチゴについて
イチゴの原産地は南北アメリカ大陸で、現在私たちが知る形になったのは1700年代のオランダです。ここでチリイチゴとバージニアイチゴが交配され、現代の多くのイチゴ品種の祖先が誕生しました。
日本にイチゴが持ち込まれた当初は、気候の違いから栽培があまり広まりませんでした。しかし、数世代にわたる品種改良を重ねることで、日本の気候にも適応し、栽培しやすい品種が次々と開発されました。これらの努力により、現在では家庭菜園でもイチゴを楽しむことができるようになりました。
イチゴ栽培の背景には、多くの先人たちの情熱と努力があることを忘れてはなりません。これらの情報は、イチゴを栽培する際に、ただ美味しい果実を楽しむ以上の価値を感じさせてくれます。
名称 | イチゴ |
原産地 | オランダ |
分類 | バラ科 |
発芽適温 | 18~23℃ |
育成適温 | 17~20℃ |
土壌酸度 | pH6~6.5 |
収穫まで | 約7ヶ月 |
2.イチゴのプランターでの栽培計画と準備
プランターでイチゴを栽培する場合、計画的に準備を行うことが成功への鍵です。この章では、イチゴの栽培計画と準備について具体的に解説します。
2.1 イチゴ栽培のプランター大きさ
イチゴは過湿に弱いため深さ15cmくらいの浅型のプランターを選びます。
イチゴの苗の方向に注意してプランターの縁に植えることで垂れ下がったように実がなるように育てると管理がしやすいです。
イチゴ栽培に合ったプランターも売っているのでそれらを選定するのもよいでしょう。
プランターの選び方と注意点
プランターを選ぶ際は、サイズの「号」や「型」の表記を理解することが重要です。プランターの材質や形状も植物の健康に大きく影響します。
こちらの記事では、プランター選びのコツとおすすめのプランターについても詳しく紹介しています。プランター購入を検討している方は、ぜひこれらの情報を参考にしてください。
2.2 イチゴのプランターでの栽培時期
イチゴの栽培期間は、植え付けから約6~7カ月を要します。イチゴは過度の暑さを苦手とするため、気候が十分に涼しくなる10月頃に定植するのが理想的です。この時期に植えることで、イチゴは適切な温度で健康的に成長し、春から初夏にかけての収穫を最大限に楽しむことができます。
冬の間、イチゴは休眠期に入ります。この休眠期は、イチゴの生育サイクルにとって必要な段階であり、春になると再び活動を始め、花を咲かせ実を結びます。
2.4 イチゴのプランター栽培の土づくり
プランターで使用する土は、適切な手入れを行うことで2年目以降も再利用が可能です。プランター栽培を初めて行う方には、園芸店で取り扱っている野菜用の土を購入することをおすすめします。
土の処理方法としては、まず使用済みの土から古い根を取り除きます。次に土の再生材を混ぜ込み、必要に応じて太陽熱消毒を行うことで土の状態を改善します。これらの具体的なプランターでの土づくりの手順や詳細については、別の記事で詳しく解説しています。
イチゴは過湿を嫌いますが、根が浅いため乾きすぎるのもよくありません。水はけのよい土を作ってあげることが重要です。
3.イチゴのプランターの栽培方法
この章では、イチゴのプランターでの具体的な育て方を播種から収穫まで詳しく解説していきます。
3.1 イチゴの定植(プランター)
中間地でのイチゴの定植は、10月上旬から11月上旬が最適です。イチゴは根が浅いため、深さ15cmの浅型プランターがおすすめです。定植にはいくつか重要なポイントがあります
苗の向きと植え付けの位置に注意したっぷり水をあたえることがポイント!
1.苗の向き
苗の株元をチェックし、親株と繋がっていたランナー(ほふく枝)を確認します。
ランナーの逆側から成長し実をつけるため、ランナーをプランターの内側に向けると、果実が外側に向かって成長し易くなります。
2.植え付け位置
プランターの形状にもよりすが、イチゴをプランターの縁側に配置し、ランナーを内側にします。
これにより、果実が土に触れずに空中に垂れ下がるように成長し、病気や腐敗のリスクを減らすことができます。
3.水のあたえ方
定植時の水やりは、植え付けの1~2時間前に苗のポットに、植え付け穴に、そして植え付け後にそれぞれたっぷりと行います。
植え付け後の水やりは特に重要で、これにより根が新しい環境にしっかりと活着しやすくなります。
3.2 イチゴの冬越しの管理(プランター)
イチゴを秋に定植した場合、冬の休眠期間を経て春から初夏にかけての収穫になる果物です。冬の間の管理には以下のポイントがあります
冬越しにはマルチングを!葉が赤くなっても心配しない。
1.マルチング
冬の寒さによる霜害や雪害からイチゴの根を守るために、マルチングが効果的です。
プランターでの栽培の場合、バークチップ、敷き藁、腐葉土などを土の表面に敷くことをお勧めします。これらのマルチング材は、泥はねを軽減し、葉や実に土が付くのを防ぎます。
2.葉の観察
冬期間、イチゴの葉は地面に密着し、色が赤く変化することがあります。これはイチゴが休眠状態に入っている証拠であり、健康状態が悪いわけではありません。
赤くなった葉を摘むとかえって生育に悪影響を及ぼす可能性があるため、摘葉は避けるようにしましょう。ただし、赤褐色の斑点のような模様がある場合は「じゃのめ病」の可能性があるため摘葉します。
3.3 イチゴの追肥(プランター)
イチゴの追肥は、株の健康と豊かな収穫を確実にするために重要です。秋に植え付けた後の休眠中には特に追肥は必要ありませんが、春になって活動を再開するにあたり、適切なタイミングでの追肥が必要です。
1回目の追肥 | 新芽が立ち上がった時 |
2回目の追肥 | 最初の花が咲いた時 |
それ以降 | 2回目の追肥から2週間ごと |
1回目の追肥
2月下旬頃の新しい葉が生え始めたら1回目の追肥を行います。
イチゴは一定期間寒さにあたると休眠期間から目覚めて新芽をつけ始めます。この時期の追肥は、春の成長をサポートし、新芽の発展を促進します。
2回目の追肥
2回目の追肥は最初の花が咲いた頃におこないます。
最初の花が咲き始める時期、通常は春の温かい時期が始まると同時に行います。日が長くなり、気温が10℃を超えるようになると花が咲き始めます。
3回目以降の追肥
3回目以降は2回目の追肥後から2週間ごとに継続的に追肥をおこないます。
この段階での追肥は、果実の質と量を向上させるために特に重要です。肥料が切れないよう注意し、株全体の栄養状態を良好に保つことが重要です。
3.4 イチゴの人工授粉
イチゴはミツバチなどの虫の力を借りて受粉を必要とする植物ですが、家庭菜園などでは受粉の助けとなる虫が不足していることがあります。
これらは人工授粉をおこうなうことにより結実を促進することができます。人工授粉の適切な方法とタイミングについて解説します。
全ての雌しべにしっかり授粉させる。傷つけないように気をつけよう!
人工授粉のタイミング
イチゴの花は開花後、2〜4日以内が人工授粉に最適なタイミングです。
開花してから1日経過すると、雌しべが受粉を受け入れやすい状態になりますが、5日を過ぎると受精能力が低下します。
人工授粉の方法
小規模栽培の場合、手作業での人工授粉が成功率が高いです。柔らかい筆や耳かきの梵天(耳かき棒の柔らかい部分)を使用して、花の中心部を優しくなで、雄しべから雌しべに花粉を移します。
イチゴの各雌しべに均等に花粉をつけることが重要です。授粉が不完全だと、果実が奇形になったり、小さく成長する可能性がありますので注意が必要です。
3.5 イチゴの剪定
収獲がはじまる頃になると、イチゴからランナーが伸びはじめます。ランナーを放置すると、養分が分散され実付きが悪くなることもあるため適宜剪定していきます。
ランナーを適切に管理することは、果実の品質と収穫量を向上させることができイチゴ栽培において重要な工程です。
地面を這う細い茎は適宜剪定していく
ランナーについて
ランナーという言葉、イチゴ栽培以外ではあまり聞きなれない言葉です。そもそもランナーとは何?と思われる方もいるかもしれません。
ランナーとは、ほふく茎と呼ばれるつるのように伸びる茎をさします。イチゴの場合、親株から葉をつけずに地面を這うように伸びている茎がランナーになります。
剪定のタイミングと方法
タイミング:ランナーは収穫が始まるころにその生長が活性化されます。これらが見つかったら、果実への養分供給を最優先にするため、適宜剪定を行います。
方法:伸びたランナーは、つけ根からハサミで切り取ります。この作業は収穫が終わるまで続け、株のエネルギーを果実の成長に集中させます。
収穫終了後、伸ばして株分け
収穫が終わった後、イチゴを増やす目的でランナーを伸ばし続けることも可能です。
これにより、株分けして新しい苗を育てることができます。この方法は、株を増やしたい場合に特に有効です。
3.6 イチゴの収穫
イチゴの収穫は、花が咲いてから約35日から40日後が一般的な目安です。果実が適切に成熟したかどうかを判断するには、色の変化を見ます。ヘタの先まで均一に鮮やかな赤色になったら、収穫の準備が整っています。
収穫方法
ハサミ使用:ヘタのすぐ下からハサミを使って切り取ることで、植物にダメージを与えることなく果実を収穫できます。これにより、残った植物が健康を保ち、引き続き成長することができます。
定期的な収穫:イチゴは鳥などの野生動物に狙われやすいため、成熟した果実はこまめに収穫することが望ましいです。これにより、果実が過剰に成熟することを防ぎ、味の劣化や損傷のリスクを減らします。
防護対策
防虫ネット:特に鳥による被害が心配される場合は、防虫ネットを設置することを検討してください。これにより、果実を安全に保護し、収穫量を最大限に保つことができます。
4.しま農研のイチゴ栽培:実践編
しま農研ではイチゴ栽培に関する実践を進めており、独自の試みや遭遇するトラブルを通じて多くを学んでいます。
この章では、その栽培の実際の様子を共有し、地植え栽培を行う際の貴重な参考情報を提供します。
4.1 イチゴ栽培の観察記録
しま農研では日々イチゴ栽培をリアルタイムで観察し、その記録を共有しています。これにより、効果的な栽培方法を継続的に評価し、最適な栽培技術を見つけるための試みが進行中です。
これらの観察記録を活用し、あなたのイチゴ栽培における成長比較や問題解決の参考としてください。
5.まとめ
この記事を通じて、プランターでのイチゴ栽培の基本から具体的な管理方法までを詳しく解説しました。イチゴ栽培は多くの注意を要しますが、適切なケアを施すことで家庭でも美味しいイチゴを楽しむことができます。
ぜひこの記事を参考にして、あなたの家庭菜園でイチゴの栽培を始めてみてください。イチゴは、菜園に彩りをあたえ、収穫したイチゴの美味しさも格別です。
また、しま農研ではイチゴ以外にも多くの野菜の栽培方法を詳細に解説しています。他の野菜の栽培にも挑戦したい方は、当ブログでさらなる情報を探してみてください。皆様の野菜作りが一層楽しく、豊かなものになるよう願っています。
読んでいただきありがとうございました!
コメント