土作り成功の鍵!家庭菜園でめざす野菜を育てやすい土の特徴

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土作り・育苗

野菜作りの基本である土作りは、家庭菜園の成功に欠かせない重要な作業です。初心者の方には、まずは園芸店やホームセンターで販売されている土を使用するのも安定するのでいいですが、その後はさまざまな試みをすることが楽しくなるでしょう。

良い土を作るためには、具体的にどのような土を目指すべきかを知ることが重要です。家庭菜園におけるよい土はどんな土でしょうか。本記事では野菜が育つためにめざす土の特徴を説明していきます。

良い土壌を作るためには時間がかかりますが、少しずつ改善していくのも重要です。一緒に家庭菜園ライフを楽しみながら、美味しい野菜を育てるための試行錯誤をしていきましょう!

しま農研
しま農研

堆肥を入れたり、耕したり土作りには色んな作業がありますが、なぜその作業が必要かが分かってくると土作りはさらに楽しくなります。

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1.団粒構造の土をめざそう!

団粒構造とは、土壌粒子が互いにくっついて小さな粒子(団粒)を形成する状態を指します。団粒構造が進んだ土は、大きな隙間と小さな隙間の2種類の隙間ができるため、排水性と通気性がよく、水持ちが良い特徴を持ちます。

このような団粒構造が進んだ土は、ふかふかで柔らかく、野菜の根が伸びやすい環境を提供します。団粒構造の土を目指すことは、良い土つくりの第一歩となります。以下では、団粒構造が進んだ土の特徴とメリットを詳しく説明します。

1.1 通気性・排水性がよい

団粒構造が進んだ土は、大きな粒の間に広い隙間ができるため、水はけが良くなり、その後に空気が入ってくるため通気性も向上します。

植物の根は呼吸することで土中の養分を吸収します。通気性の高い土は根の呼吸をスムーズにし、根の成長や養分吸収を促進します。また、排水性が悪い土では水がたまり、根腐れや病気のリスクが高まります。適切な排水性を持つ土は根の健康を保つために重要です。

1.2 保水性がよい

団粒構造が進んだ土の大きな粒の内部には小さな隙間があり、水をためておくことができます。これにより、土壌は保水性が高まります。

植物の生長には水が欠かせません。土壌の保水性が良いと、根の周囲に水がない場合でも、土の粒自体が水を保持しているため、根がその水を吸収することができます。これによって、水切れのリスクを軽減することができます。

1.3 有機物を多く含んでいる

団粒構造が進んだ土は、腐葉土や堆肥などの有機物を多く含むことが重要です。有機物は微生物によって分解される過程で、土の粒と粒を結びつける「接着剤のような物質」を生成します。これにより団粒構造の土が形成されます。

しかし、団粒の結びつきは比較的弱く、団粒の寿命はあまり長くありません。そのため、堆肥や腐葉土などの有機物を定期的に施し、土を耕していくことは団粒構造の土を作り維持する上で欠かせない作業です。

2.野菜が育つ環境を整えよう!

野菜が育ちやすい土には、団粒構造の他にもいくつかの特徴があります。まず、根が伸びるスペースが柔らかく広がりやすく異物が混入していないことが重要です。さらに、野菜が育つ土には適正な酸度が保たれていることも重要です。

2.1 上層は柔らかく下層は固い

しま農研では作土層を確保するため、一度菜園スペースを掘り返して堆肥をいれてみました。

野菜が育つ土壌では、表層から見て上の部分は空気が含まれた柔らかい層があります。この部分を作土層といい、野菜の根が広がる部分となります。一般的には、作土層の深さが18〜20cmあれば十分です。一方で、掘り進めると固く固まった耕盤層があり、根が伸びにくくなります。

耕盤層が極端に浅いと、根腐れなどの問題を引き起こす可能性があるため注意が必要です。浅い場合は、堆肥を追加したり、畝を立てて作土層を確保することが有効です。

2.2 異物が混入していない

堀り起こした際にでてきた石。庭を本気で改良するのはなかなか手間がかかりました。

野菜が育つ土壌には、石や建築の廃材、ゴミなどの異物が混じっていないことが重要です。異物が混じっていると、根が正常に伸びることができず、成長が妨げられてしまいます。耕す際に異物が見つかった場合は、定期的に取り除く必要があります。

また、害虫の卵や幼虫も野菜の生長に悪影響を及ぼすことがあります。発見した場合は、取り除くか、必要に応じて消毒作業を行うことも重要です。

2.3 酸度が適正な土

酸度調整は石灰で調整するのが一般的な方法です。

ほとんどの植物は中性の土壌を好みます。日本の降雨量の多い地域では、雨水によって土壌中のアルカリ性のミネラル(カルシウムやマグネシウムなど)が地下に流れてしまうため、土壌のpH値が酸性になりがちです。また、肥料の種類によっても徐々に酸性に傾く要因となることがあります。

酸性土壌にはアルミニウムイオンが含まれており、これは植物の根に大きなダメージを与える可能性があります。そのため、酸度を適正に保つ必要があります。

3.水はけ水もちもよい壌土をめざそう!

土壌には、砂や粘土などの異なる性質を持つ粒子が含まれており、それぞれの特徴があります。

野菜の生育に適した土壌は、水はけも水もちもよい砂と粘土をバランスよく含んだ”壌土”です。初心者の方は、壌土を目指すことをおすすめします。以下では、それぞれの性質と特徴について説明します。

3.1 砂土

砂質土はざらざらとした感触で白っぽい色をしています。海岸や川の砂が80%以上含まれており、個々の粒子は水を吸わないため、水持ちが良くありません。

◆メリット
土が早く暖まり、野菜の成長が早い
水はけが良く、スイカやダイコンなどの作物が育ちやすい
◆デメリット
乾燥に弱く、養分が水に流れやすい
有機物の分解が速く、団粒構造が形成しにくい

3.2 壌土

壌土は、砂質と粘土質の中間的な土壌であり、水はけが良く保水力もあります。ほとんどの植物の生育に適しており、肥沃な土壌とされています。壌土は微細な粘土の粒子を全体の25~45%含んでおり、団粒構造の形成に適しています。

◆メリット
土が柔らかく、耕うんがしやすい
団粒構造が形成しやすく、野菜の成長が良い
◆デメリット
特になし

3.3 埴土

埴土はいわゆる粘土質の土で雨が降ると土がヌルヌルとして、乾くとカチカチに固まり、土がひび割れることがあります。通気性や水はけはあまり良くありませんが、水持ちが良く、一般的な水田の土壌に近い性質を持ちます。

◆メリット
粘土が多く保水力、保肥力が高い
土壌改良して土に隙間を作れば味のいい野菜が採れる
◆デメリット
土が重く耕すのに力が必要
水がたまって土の中の酸素が不足すると野菜が根腐れをおこす。

4.まとめ

良い土壌は野菜の成長と収穫に直結する重要な要素です。団粒構造の土や壌土など、野菜が育ちやすい土の特徴を理解し、目指すべき土壌を明確にしましょう。

そして、自分の菜園スペースの土壌をチェックし、必要な改善を行いましょう。当記事では土壌改善に関する情報を詳しくまとめていますので、参考にしてください。

読んでいただきありがとうございました!

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