プランター栽培は、ベランダや玄関、庭など、様々な場所で気軽に始められるのが魅力です。特に家庭菜園に興味を持ち始めた方にとって、プランターは初心者に優しい入門道具とも言えるでしょう。
しかし、プランターにはさまざまな種類があり、それぞれの野菜が育ちやすい環境に合わせたデザインがされています。プランターのサイズ表記、例えば「10号」や「650型」など、初めて耳にする方には少しわかりづらいかもしれません。しま農研も最初は、これらの表記から具体的なプランターのイメージを掴むのが難しいと感じました。
本記事では、プランター栽培を始めたい方や、既に始めている方でさらに知識を深めたいと思っている方に向けて、プランター選びのポイントを様々な角度から解説します。
適切なプランターの選び方は、プランター栽培の成功への第一歩です。この記事を参考に、さまざまな野菜をプランターで育ててみてください。家庭菜園の楽しさと収穫の喜びを、本記事がお届けできることを願っています。
プランター栽培は、手軽にはじめれるためはじめて家庭菜園をはじめる方にもおすすめです。少し知識があると選び方も楽しくなります!
1.プランター栽培のメリットとデメリット
プランター栽培は、その手軽さや柔軟性で多くの家庭菜園愛好家に支持されています。しかし、すべての栽培方法にはそれぞれのメリットとデメリットがあります。ここでは、プランター栽培の主な利点と、考慮すべきいくつかの欠点に焦点を当てます。
1.1 プランター栽培のメリット
1.1.1 場所を選ばず、手軽にはじめられる。
地植えは庭にそれなりに大きなスペースがないとできませんが、プランターならベランダやテラス、玄関や駐車スペースさらには窓辺など、限られたスペースでも野菜やハーブを育てることができます。
また、準備についても地植え栽培は少し大変ですが、プランター栽培は園芸店で資材を集めればすぐにはじめることが可能です。
1.1.2 土作りが容易なため管理が楽
地植えでの栽培は、土作りの工程が初心者には少しハードルの高い作業になります。堆肥を混ぜたり、耕したり肥料の量を考えたり、土が適切かを判断することも必要です。
プランターで育てる場合は、それらの工程がなく最初は家庭菜園用の培養土を購入し簡単に育てることができます。土作りにおいて地植えのような知識はほぼいりません。これは野菜がうまく育たない時に土が問題かを考えなくてすむため、原因特定がしやすくなります。特に初心者の頃は、心配ごとも減り気持ちも楽に野菜を育てることができ、しま農研もこの部分に随分助けられました。
また、プランターで使った古い土もリサイクル材を使うことで再利用できるため新たに買う必要はありません。リサイクル材を使った土のリフレッシュ方法はこちらの記事で詳しく解説していますのでよろしければ参考にしてください
1.1.3 移動が可能で栽培環境を調整しやすい
プランターは栽培場所から移動をしやすいことも大きなメリットです。
例えば、雨が苦手なトマトなどは梅雨時期に軒下に移動させるとよく育ちます。真夏が苦手なパセリなどは日差しが強くなる季節には半日陰に移動するなども可能です。また、庭でバーベキューをしたい時などもプランターですと移動することができるので容易にスペースを確保することができます。
1.2 プランター栽培のデメリット
プランター栽培は多くのメリットがありますが、一方で注意が必要なデメリットも存在します。理解し、適切に対処することで、これらのデメリットを最小限に抑えることができます。
1.2.1 土が乾きやすく水管理が重要
プランターは限られた空間のため、土が乾きやすく、特に夏場は水分が蒸発しやすいです。これにより、水やりの頻度を増やす必要があり、特に暑い日にはこまめの水やりが必要です。水やりのタイミングを見極め、植物の水分需要に合わせることが重要です。
1.2.2 根の成長空間が限られている
地植えと比較して、プランター内の根の成長空間は限られています。これにより、根の伸びが制限され、植物の成長が抑えられる可能性があります。特に大型の植物や根が広がるタイプの植物には不向きな場合があり栽培スキルが必要になります。しかし、プランターでも育てやすい野菜はたくさんあります。
こちらの記事では、しま農研が育てたことのある野菜を「育てやすさ」「コスト」「特別な魅力」の3つに焦点をあててプランターで育てるおすすめの野菜をまとめています。あなたが野菜を選定する参考になれば幸いです。
2.栽培するプランターの選び方のポイント
プランターを選ぶ時にはいくつかのポイントを理解しておくことが必要です。この章では、プランターを選ぶ時に必要なことを解説していきます。
2.1 プランターのサイズを把握する
プランター栽培を始める際、適切なサイズのプランターを選ぶことは非常に重要です。しま農研も最初はプランターのサイズ表記に戸惑いましたが、それぞれの表記が何を意味しているか理解することで、適切なプランター選びが可能になります。
2.1.1 プランターのサイズ表記の理解
プランターのサイズは、「号」「型」「リットル」「ガロン」などの単位で表されます。それぞれの表記には以下のような意味があります。
「号」:丸型のプランター専門の表記になり、上部外寸の直径になります。1号辺り3cmになり果菜類を作るのに最も一般的な10号プランターは直径30cmのプランターのことを指します。
「型」:丸型と横型で表す部分が異なります。丸型のプランターについては上部外寸の直径になり1型辺り1cmです。横型については一番長い部分の外寸になり、例えば750型は長い部分が75cmのプランターになります。
「リットル」「ガロン」:体積を表す単位で、特に最近の不織布系のプランターはガロンで表記されることが多いです。
表記 | どの大きさで決まるか | cmに換算 |
号 | 丸型で表記で上部の外寸の直径 | 1号=直径3cm 10号=直径30cm |
型(丸) | 丸型の場合は上部お外寸の直径 | 1型=直径1cm 30型=直径30cm |
型(横) | 横型の場合は一番長い部分の外寸 | 1型=1cm 750型=長い部分が75cm |
2.1.2 プランターの深さの重要性
プランター選びでは、ただサイズだけでなく深さも重要な要素です。特に野菜栽培では、根の張り方に応じて適切な深さのプランターを選ぶ必要があります。浅型、標準、深型などの区分があり、それぞれの野菜の根の特性に合わせて選ぶことが肝心です。
深さについての目安を一覧表にまとめました。大体の目安になりますが、園芸本やYOUTUBEなどで説明されている場合、深さはこの表を参考に選定してください。
表記 | 大きさの比率 | 大きさの目安 |
深型 | 1:1程度 | 30型(丸)プランターで深さ30cm程度 |
標準 | 1:0.8程度 | 30型(丸)プランターで深さ24cm程度 |
浅型 | 1:0.6~0.7程度 | 30型(丸)プランターで深さ20cm程度 |
2.2 育てたい野菜に適切なプランターを把握する
プランター栽培で成功を収めるためには、育てたい野菜に適したプランターの選定が重要です。野菜によって根の張り方が異なり、それに応じたプランターを選ぶことで、野菜が健康に成長する条件を整えることができます。
例えば、エダマメや葉物類のように根が浅い野菜は、深型プランターよりも浅型や標準型のプランターが適しています。これに対し、ナスやトマトなど根が深く広がる野菜は、30cm以上の深さがある深型プランターが最適です。さらに、ナスのように横にも広がる野菜は、より広いサイズのプランターを選ぶとより健康に育ちます。
プランターのサイズと土の容量、それに適した野菜の一覧表にまとめました。あなたの育てたい野菜に合わせたプランター選びの参考にしてください。
大きさ | リットル | 野菜の選定 |
寸胴深型12号プランター(直径36cm 深さ36cm) | 18ℓ | ナス、大玉トマト等 |
寸胴深型10号プランター(直径30cm 深さ30cm) | 12ℓ | トマト、ナス等 |
寸胴標準8号プランター(直径27cm 深さ24cm) | 8ℓ | シシトウ、ミニトマト等 |
横型深型630型プランター(横63cm 縦30cm 深さ33cm) | 34ℓ | ナス、ダイコン、じゃがいも等 |
横型大型710型プランター(横71cm 縦30cm 深さ26cm) | 50ℓ | ナス、ピーマン、エダマメ等 |
横型標準500型プランター(横50cm 縦33cm 深さ26cm) | 28ℓ | オクラ、エダマメ、ピーマン、きゅうり等 |
横型朝型450型プランター(横45cm 縦20cm 深さ17cm) | 12ℓ | シソ、ルッコラ、葉物野菜等 |
10ガロン不織布プランター(直径40cm 深さ30cm) | 38ℓ | 寄せ植えにも最適 |
2.3 野菜の育てやすさでプランターを選ぶ
家庭菜園において、プランターの機能性は野菜の育成に大きく寄与します。通気性や排水性に優れたプランターは、根腐れを防ぎ、野菜の健康を保つために重要です。特に野菜用プランターは、根がしっかり張りやすい設計になっていることが多く、栽培初心者でも安心して使用できます。
さらに、プランター栽培の大きな課題である水切れ問題に対処するため、底面給水機能付きのプランターも市場に登場しています。このタイプのプランターは水を貯水する機能があり、定期的な水やりが難しい状況でも植物に安定した水分供給を維持することができます。
しま農研の実験では、オクラを異なるタイプのプランターで栽培したところ、底面給水機能付きのプランターで育てたオクラの方が水持ちが良く、結果的に健康的に成長しました。水やりが頻繁にできない状況や、忙しい日常で水やりを忘れがちな方には、このタイプのプランターが特に推奨されます。プランター選びにおいては、育てたい野菜の特性だけでなく、これらの機能性も考慮するとより効率的で成功率の高い家庭菜園が実現します。
2.4 おしゃれで機能的なプランター選び
家庭菜園をもっと楽しむために、おしゃれで目を引くプランターを選ぶのもよい選び方です。ベランダや庭は私たちの生活空間の延長線上にあるため、美しくデザインされたプランターはその空間をより魅力的に演出します。野菜の育成に適したサイズを選びつつ、デザインや素材にもこだわることで、日々のガーデニングがさらに楽しい時間に変わります。
例えば、近年人気の不織布プランターは、そのシンプルでモダンなデザインが多く種類も豊富にでています。不織布のプランターは、通気性や排水性に優れ、植物の健康的な成長をサポートするだけでなく、見た目もスタイリッシュで、あらゆる空間に自然に溶け込みます。
しま農研では、不織布プランターの魅力や使い方、おすすめの商品を詳しく紹介しています。おしゃれで機能的なプランターを探している方は、ぜひこの記事をチェックして、あなたの庭やベランダを素敵な空間に変えてみてください。
3.野菜を育てるのにおすすめプランター
前の章まではプランターの選ぶポイントについて解説していきました。この章では、しま農研のおすすめのプランターを紹介します。
プランターの種類は多岐にわたるため、ここでは特にメーカーの特徴に焦点を当て、おすすめの商品を一覧形式でご紹介します。
また、ネットで探すさいに情報が多すぎて探しきれない時のために、野菜の育てやすいプランターを一覧表にしてアマゾンへのリンクをつけアクセスしやすいようにしました。気になる商品があればチェックしてみてください。
3.1 アップルウェアーのおすすめプランター
アップルウェアーは幅広い植物用鉢を提供するメーカーで、野菜用プランターに特化した商品も豊富です。スタンダードなデザインから革新的な底面給水プランターまで、多様なニーズに応える豊富なラインナップが特徴です。
以下に示す一覧は、しま農研が厳選した家庭菜園におすすめの商品ですが、サイズのバリエーションはそれだけに留まりません。参考にしていただきお気に入りの商品を見つけてください。
シリーズ名 | サイズ(cm) | 量 | 使用例 | 特記事項 | 購入リンク |
野菜鉢 | 直径30×深さ25.6 | 10ℓ | シシトウ、トウガラシなど | スリット | ➡こちら |
楽々菜園 | 直径38×深さ35.3 | 15ℓ | ナス、ミニトマトなど | 底面給水 | ➡こちら |
楽々菜園 | 75.4×32.4×深さ32.4 | 40ℓ | きゅうり、トマトなど | 底面給水 | ➡こちら |
菜園コンテナ | 72×40×深さ28 | 40ℓ | 2条植えにも | スノコ | ➡こちら |
ファームプランター | 55×30×深さ32 | 26ℓ | きゅうり、根菜など | スノコ | ➡こちら |
ファームプランター | 55×28.8×深さ19 | 12ℓ | 葉物など | スノコ | ➡こちら |
花と野菜のプランター | 60x30x深さ28 | 28ℓ | 野菜も花も両方使える | おしゃれ | ➡こちら |
3.2 大和プラスチックのおすすめプランター
大和プラスチックは、その高品質な製品で多くの園芸愛好家から信頼されているメーカーです。特に野菜栽培に適したプランターのラインナップは、機能性とデザイン性を兼ね備え、どんな庭にもぴったりとなじむおしゃれなアイテムが揃っています。
以下の一覧では、野菜栽培に特に適した大和プラスチックのプランターをピックアップしました。サイズや形状は多種多様で、あなたのニーズや庭のスタイルに合わせて選ぶことができます。Amazonのリンクも用意していますので、気になるプランターがあれば、さらに詳しい情報をチェックしてみてください。
シリーズ名 | サイズ(cm) | 量 | 使用例 | 特記事項 | 購入リンク |
菜園鉢 | 直径30×深さ27 | 12ℓ | ミニトマトなど | 通気性◎ | ➡こちら |
グロウコンテナ | 直径30×深さ28.7 | 11ℓ | ナス、ミニトマトなど | 取っ手付 | ➡こちら |
しゅうかく菜 | 80×45×深さ400 | 76ℓ | トマト、じゃがいもなど | 大型 | ➡こちら |
eco菜園プランター | 55×30×深さ320 | 25ℓ | きゅうりなど | 再生樹脂 | ➡こちら |
フレグラーポット | 直径30×深さ30 | 14ℓ | ナスなど | おしゃれ | ➡こちら |
3.3 リッチェルのおすすめプランター
多様なライフスタイル製品で知られるリッチェルは、ガーデニング分野においても質の高い商品を提供しています。特に、家庭菜園を楽しむためのプランターは、機能性はもちろん、革新的なタワー式のプランターなど、ユニークで実用的な商品が揃っています。
以下に紹介する一覧は、リッチェルの中でも特に野菜栽培に適したプランターのセレクションです。サイズや形状のバリエーションも豊富で、あなたのニーズに合わせた選択が可能です。商品に興味がある方は、Amazonのリンクからさらに詳細を確認できますので、ぜひチェックしてみてください。
シリーズ名 | サイズ(cm) | 量 | 使用例 | 特記事項 | 購入リンク |
菜園上手 ジャンボ | 65.5×39×42.5 | 72ℓ | ダイコン、じゃがいもなど | 深い | ➡こちら |
水ラク 菜園上手 | 直径30.5×深さ28 | 8.7ℓ | ナス、ミニトマトなど | 底面給水 | ➡こちら |
水ラク 菜園上手 | 45×29×深さ31.5 | 17ℓ | きゅうり、ゴーヤーなど | 底面給水 | ➡こちら |
ハーベリーポット | 37x40x深さ16 | 7.1ℓ | イチゴ、ハーブなど | タワー | ➡こちら |
1.4 他のおすすめ野菜プランターブランド
プランター栽培に適した商品は、アップルウェアー、大和プラスチック、リッチェル以外にもさまざまなメーカーから提供されています。各ブランドは独自の特徴やデザインを持っており、家庭菜園をより楽しく、より実用的にしてくれます。
「ルーツポーチ」は、そのデザイン性の高さと機能性で知られる不織布プランターを取り扱っています。また、「アルファックス」は土の中の様子が一目でわかる窓付きプランターが特徴的です。長期の外出にも対応できる新しいタイプの底面給水プランターを提供する「ベストコ」や、自然な木材を使用したプランターで知られる「タカショー」も、家庭菜園に魅力的な選択肢を提供しています。特にタカショーのレイズドベッドタイプのプランターは、地植えと変わらないほどの成長を見せるため、しま農研も注目しています。
これらのブランドは、ここで紹介した商品以外にも多種多様なアイテムをラインナップしています。しま農研が注目するプランターを一覧表にまとめていますので、家庭菜園をさらに充実させたい方は、これをきっかけに各ブランドの商品を探してみてください。
メーカー | おすすめポイント | サイズ(cm) | 購入リンク |
ルーツポーチ | おしゃれなで不織布プランターの種類が豊富 | 直径35×深さ30 | ➡こちら |
アルファックス | 中が見える窓付きフェルト式のプランター | 直径28×深さ30 | ➡こちら |
ベストコ | 底面給水の進化版?気になってます。 | 65x32x深さ32 | ➡こちら |
タカショー | いつか買ってみたいレイズドベッドタイプ | 103×46×深さ40 | ➡こちら |
3.まとめ
この記事では、家庭菜園でのプランター栽培のメリットとデメリット、プランターの選び方、およびしま農研がおすすめするプランターブランドについて解説しました。
プランター栽培は場所を選ばず、手軽に始められる点が大きなメリットですが、土の乾きやすさや根の伸びるスペースの限界など、考慮すべきデメリットもあります。プランターのサイズを正しく理解し、育てたい野菜に合ったプランターを選ぶことが成功の鍵です。また、プランターのデザインや機能性も重要な要素であり、それぞれのライフスタイルや庭の環境に合ったものを選ぶことが大切です。
しま農研が紹介したアップルウェアー、大和プラスチック、リッチェル、およびその他のブランドは、各々ユニークな特徴を持っており、あなたの家庭菜園に彩りと機能性をもたらしてくれるでしょう。プランター選びは、ただ野菜を育てるだけでなく、ライフスタイルを豊かにする楽しい選択の一つです。この記事が、あなたのプランター選びの参考になれば幸いです。
家庭菜園では、プランターの他にも様々な道具や資材が存在します。それらの役割や選ぶポイントを知っておくと効率的に野菜栽培を楽しむことができます。しま農研では、様々なカテゴリーに分けて道具や資材を紹介しております。よろしければこちらの記事もご参照ください。
読んでいただきありがとうございました
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