ゴマは多くの料理で利用される人気のある食材ですが、その栽培方法について詳しく知っている人は意外と少ないのではないでしょうか。家庭菜園は、様々な野菜の生長を間近で観察し、手間をかけて育てることで、それぞれの植物の背景や特性を深く理解する楽しさがあります。
しま農研では、今回初めてゴマの栽培に挑戦します。多くのゴマは輸入されており、国内で栽培されるゴマは少ないため、その育て方についての情報も限られています。試行錯誤を繰り返しながら栽培を進めていく予定です。
この記事では、ゴマの栽培方法と収穫後の脱穀方法について詳しく紹介していきます。しま農研と一緒にゴマ栽培の世界に挑戦してみませんか?この記事があなたがゴマを栽培するきっかけとなることを願っています。
しま農研でも初挑戦のゴマ栽培について記事にしました。この記事は、観察記録と連動して更新していきます
1.ゴマについて
ゴマの原産地については複数の説がありますが、アフリカのサバンナ地帯が原産とする説が有力です。その後、ゴマはエジプトやメソポタミアを経由してインド、中国へと伝播し、さらには縄文時代の日本にもたらされたと考えられています。
砂漠を原産地とするゴマは、さまざまな環境変化に強い耐性を持ち、栽培が比較的容易な作物です。実際にゴマを栽培する場合、間引き作業が完了すれば、特別な手入れをしなくても収穫まで育つと言われています。
和名 | ゴマ |
原産地 | アフリカサバンナ |
分類 | ゴマ科ゴマ属 |
発芽適温 | 25~30℃ |
育成適温 | 25~35℃ |
株間 | 20cm |
畝幅 | 60cm |
土壌酸度 | pH6~6.5 |
収穫まで | 3~4ヶ月 |
2.地植えでのゴマの栽培計画と準備
ゴマを地植えで栽培するにあたり、計画的な準備は成功のための重要なステップです。このセクションでは、地植えにおけるゴマの栽培計画とその準備過程について具体的にご紹介します。
2.1 ゴマの栽培時期
地域により最適な種まき時期は異なるものの、中間地域では一般に5月下旬から6月中旬が適期とされます。ゴマは20℃~25℃の温度範囲で最も良く発芽するため、地域の気候がこの条件を満たしてから種を蒔くのが理想的です。
種まき後、ゴマは比較的手間を要せず育ち、3~4ヶ月で収穫期を迎えます。特に、収穫後の乾燥や脱穀作業がゴマ栽培の重要なフェーズであると考えられています。
2.2 ゴマの栽培スペース
ゴマは背が高く成長するため、適切なスペースの確保が必要です。一般的なガイドラインとしては、畝幅は60cm、株間は20cm程度を推奨します。この配置により、ゴマが1~1.5mの高さまで健康に育つスペースが確保されます。
2.3 ゴマの土づくり
土づくりは、ゴマを含む多くの作物にとって栽培成功の土台を築きます。晩冬から春にかけての土づくりは、じっくりと時間をかけて行うことが望ましいため、植え付け予定日の1ヶ月前には着手しましょう。
適切な土づくりには、雑草の除去、土壌の改良、酸度の調整、そして元肥の施用が含まれます。ゴマは過剰な肥料を好まず、むしろ肥料が少なめの方が良い成長を見せるため、肥料の量には特に注意を払いましょう。
3.地植えでのゴマの育て方
ゴマの栽培は、その手軽さと比較的簡単な育成過程で知られています。このセクションでは、ゴマを実際に地植えで育てる手順と、成熟後の脱穀方法について具体的にご説明します。
3.1 ゴマの種まき(地植え)
ゴマの種まきには、直接土に種を蒔く「直播」方法をしま農研では採用しています。直播のポイントは種まき時期で、発芽に最適な温度は25~30℃のため、十分暖かくなった5月中旬から6月中旬にかけて行います。
3.1.1 ゴマの種まき手順
1. 種のまき
育てる位置を決めたら、種を蒔いていきます。ゴマの種は光を好む好光性種子のため、種が十分に光を受けられるように浅めに蒔くことが重要です。
予定の箇所に0.5~1cmほどの穴を開けて、3~5粒ほどの種を撒きます。
2.覆土と水やり
種を覆う土は薄くすることが重要です。薄く土をかけたら、手のひらで軽く押さえて鎮圧します。
最後に、種が流れないように注意しながら軽く水を与えます。また、種の流出を防ぐために、不織布などをかける方法もあります。
3.2 ゴマの間引き(地植え)
間引き作業は健康な苗の育成を促す上で重要です。間引きは、成長が遅い苗や徒長している苗を優先的に行います。この作業はハサミを使用するか、手で慎重に引き抜くことで、残す苗の根を傷つけないように注意が必要です。
また、適切な時期に間引くことが間引きのポイントになります。この章ではゴマの間引きのタイミングについて解説していきます。
3.2.1 ゴマの間引きのタイミング
1回目の間引き
発芽後、本葉が2~3枚展開した頃が適切なタイミングです。この時点で元気のない苗や密集している苗を取り除きます。この間引きにより、残す苗同士の間隔を適切に保ち、それぞれが健康に成長できるようにします。
2回目の間引き
本葉が5枚展開し、苗が一定の大きさに達した段階で行います。この際は、より元気で生育が良好な苗を1本だけ残し、他の苗は全て間引きます。この時期の間引きにより、最終的に残る苗が最大限に成長するためのスペースと資源を確保します。
3.3 ゴマの支柱立て(地植え)
ゴマの草丈が伸びてくると、風や自重で倒れることがあります。特に、ゴマは比較的背が高くなる植物であり、花や実を支えるためにも支柱立てが重要になります。ここでは、地植えでのゴマの支柱立てについてのポイントを解説します。
3.3.1 ゴマの支柱立てのポイント
ゴマの苗が一定の高さに達したり、花が咲き始める前が支柱立ての適切なタイミングです。この時期に支柱を立てることで、植物が風に強く、安定して成長することができます。
1.5~1.8mの支柱を用意し、ゴマの株の周りに支柱を数本立てます。株と支柱の間を麻ひもで囲います。これによりゴマは風による損傷から守られ、正しい方向に成長します。
3.4 ゴマの収穫(地植え)
ゴマの収穫プロセスは、株を刈り取り、乾燥させた後に種を取り出す作業までを含みます。この作業には、家庭菜園や農家ごとに様々な方法がありますが、ここではしま農研で採用している手順をご紹介します。
3.4.1 ゴマの収穫手順
1.ゴマを刈り取る
ゴマの下部のさやが数個割れ始めたら、収穫の適切なタイミングと見なします。株元からゴマを刈り取ります。複数本植えている場合、乾燥させるタイミングを統一するため、全体の株の状態を確認して収穫しましょう。
2.乾燥させる
刈り取ったゴマはひもで結び、防虫ネットにくるんで害虫の侵入を防ぎます。ゴマが落ちること風で飛ばされることを考慮して、縁がある段ボールを敷き、1~2週間乾燥させます。
3.ゴマを取り出す
ゴマの上部のさやがひらいたらゴマを取り除いていきます。しま農研ではあらかじめくるんでおいた防虫ネットの上からを棒などを使い叩いてゴマを取り出していきます。
4.ゴミを取り除く
ゴマを取り出す過程で、さやや葉などのゴミが混入します。このゴミをふるいにかけて取り除きます。その後、ザルに入れて振ったり、息を吹きかけて細かいゴミを取り除きます。この作業は、手間がかかりますので根気よくやりましょう。
5.天日干し
最終工程として、天日干しを行い、ゴマを保存します。生ゴマは、いりゴマやすりゴマに加工して使用することができます。
4.ごまの混植栽培
コンパニオンプランツを活用した混植栽培は、限られたスペースを最大限に利用し、病害虫のリスクを低減させると同時に、野菜の生育を促進する効果が期待できます。さらに、多種多様な野菜を収穫できるため、家庭菜園での多彩な楽しみを提供するおすすめの方法です。
しま農研では、今年ゴマと相性の良いサツマイモとの混植栽培に挑戦しています。この作付け方法が両者の生長にどのような影響を与えるかを検証していきます。
今後の進展については、しま農研の記事を通じてリアルタイムで観察記録を共有していきます。本年度、ゴマ栽培を予定している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
5.まとめ
この記事では、地植えでのゴマ栽培の全プロセスを詳しく解説しました。ゴマは、比較的栽培が容易で、種から始めても簡単に育てることができることが分かります。特に、ゴマの収穫とその後の脱穀作業は、家庭菜園でのゴマ栽培の醍醐味とも言えるでしょう。
また、コンパニオンプランツを用いた混植栽培によって、ゴマの栽培がさらに効果的になり、多様な野菜との共存が可能になります。しま農研では、サツマイモとの混植栽培を例に、その有効性を検証しています。
この記事がゴマ栽培に挑戦しようと考えている方々にとって、役立つ情報となり、豊かな家庭菜園ライフへの一助となれば幸いです。ゴマ栽培の楽しさと、その成果としての新鮮なゴマを味わう喜びを、ぜひ体験してみてください。
また、しま農研では多様な野菜の栽培方法を紹介しており、それらの記事は50音順で整理しています。どの野菜に興味を持っているかに関わらず、必要な情報を簡単に探すことができます。ぜひとも、これらの情報を参考にしてみてください。
読んでいただきありがとうございました!
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