定植から少し期間がたつと野菜達がぐんぐん育ちはじめてきます。しかし、肥料が切れてくる時期に追肥を行う必要があります。ただし、野菜ごとに追肥のタイミングは異なります。
この記事では、春夏野菜の代表的な品種における追肥のタイミングを詳しくまとめています。追肥のタイミングには、期間を目安に施す方法と野菜の成長を観察して追肥していく方法の2つがあります。両方の方法を知ることで、適切な追肥のタイミングを把握できるでしょう。
また、家庭菜園ではさまざまな種類の野菜を育てることが一般的です。そのため、調べるのに時間がかかったり頭が混乱することもあります。そこで、一覧表を作成し、庭や畑に出た時の補助ツールとして活用できるようにしました。
各品種の春夏野菜の追肥タイミングを把握することは、美味しい野菜を作るために重要なスキルです。また、野菜の成長を観察する上でも役立ちます。家庭菜園をより楽しむために、ぜひこの記事を参考にしてみてください。
しま農研も毎年30種類くらいの野菜を育てるので頭が混乱しがちです。この記事を見ながら追肥作業できるようなつくりにしてみます(リライト中です)
1. 追肥のスタート時期とタイミング一覧表
野菜の種類によって追肥のタイミングは異なります。追肥は野菜の生育初期の最初の追肥とその後の追肥のタイミングを正確に把握することで、正しい成長サポートに近づくことができます。
野菜の種類によって追肥のタイミングは異なります。追肥は野菜の生育初期で最初の追肥とその後の追肥のタイミングを正確に把握することで、正しい成長サポートが可能となります。
この章では、庭や畑で手軽にチェックできるように、春夏野菜の代表的な品種ごとに追肥のスタート時期とタイミングを一覧表としてまとめました。これにより、追肥作業の混乱を避けるための便利な補助ツールとしてお役立ていただければ幸いです。
ただし、追肥の方法は環境や元肥の量によっても異なる場合があります。また、プランターや地植えなどの栽培方法によっても異なる要素がありますので、一覧表はあくまで目安としてご参考ください。
春夏野菜 | 1回目の追肥 | その後 |
ナス | 定植から1ヶ月後 | 2週間毎 |
ししとう・唐辛子 | 一番果つけた時期 | 2週間毎 |
ピーマン・パプリカ | 実をつけはじめたら | 2週間毎 |
オクラ | 花が咲いたら | 2週間毎 |
きゅうり | 最初の実が大きくなりはじめた頃 | 2週間毎 |
ズッキーニ | 定植から2週間 | 2週間毎 |
ミニトマト | 実が大きくなりはじめたら | 2週間毎(あたえすぎに注意) |
大玉トマト | 実がピンポン玉の大きさになったら | 第一、第三果房と2段おき |
バターナッツかぼちゃ | つるの伸びが悪い場合 | しない |
エダマメ | 開花が始まった頃 | しない |
インゲンマメ | 開花が始まった頃 | しない |
落花生 | 開花が始まった頃 | 15~20日過ぎ |
バジル | 定植から1ヶ月後 | 1回目から2週間毎 |
シソ | 定植から1ヶ月後 | 適時 |
2.春夏野菜の肥料過多、肥料切れの見分け方一覧表
期間による追肥だけでは少し不十分です。環境の違いや元肥の量、プランター栽培と地植え栽培の違い等でタイミングにずれがでてきます。
野菜を観察することで、このずれを修正していくことが可能です。野菜は肥料過多や肥料切れに対してそれぞれの表情があります。その表情を見ながら適時追肥を調整していくのも重要なテクニックであり、観察する楽しみが増えてきます。
この章では、それぞれの春夏野菜の代表的な品種ごとの肥料過多と肥料切れの代表的な症状を一覧表にまとめました。この表を庭や畑で見ながら野菜の表情をとらえる補助ツールとして役立ててもらえれば幸いです。
また、肥料はたくさん与えたくなりますが、与えすぎは逆に生育に悪影響がでることもあるので気をつけましょう。
野菜 | 肥料過多 | 適正 | 肥料切れ |
ナス | 葉の色が濃い紫 | 雄しべが雌しべより長い | 雄しべが雌しべより短い |
ししとう・唐辛子 | 葉がまるまる | 雄しべが雌しべより長い | 雄しべが雌しべより短い |
ピーマン・パプリカ | 花付き、実付きが悪い | 雄しべが雌しべより長い | 雄しべが雌しべより短い |
オクラ | 葉の切込みが深い | 左右の症状がない | 葉が丸みをおびている |
きゅうり | つるや葉ばかり大きくなる | 右左の症状がない | 葉の色があせる。実が曲がる |
ズッキーニ | 花が咲かない | 右左の症状がない | 花が小さくなる。葉が黄色くなる |
ミニトマト・トマト | 先端の葉が大きくまく | 先端の葉が少しまく | 先端の葉がやや上に向く |
エダマメ | 茎葉ばかりが大きくなる | 右左の症状がない | 花が落ちる。さやがつかない |
バジル | – | – | 葉の色が薄い。黄色。 |
シソ | アブラムシ等がつきやすい | 左右の症状がない | 葉が硬く、香りが弱い |
3.春夏野菜の追肥のタイミング
前の章では追肥のタイミングについて一覧表で簡単にまとめました。ここからはそれぞれの野菜の追肥について詳しく解説していきます。あなたが育てている野菜がありましたら参考にしてください。
3.1 ナスの追肥
ナスは肥料をたくさん必要とする植物です。肥料切れを起こすとその後の生育や収量に大きく影響するため、追肥は忘れずに行うようにしましょう。
ナスの追肥のタイミングは、定植から1ヶ月程度経過した頃が適切です。この時期に追肥を行うことで、株の健康な成長と実の形成を促すことができます。その後は、2週間ごとに追肥を継続して行います。
ナスの肥料不足のサインを観察することも重要です。柱頭が雄しべと同じか、雄しべよりも短い、花付きが悪いかったり、着果せず花がすぐ落ちたりするのは肥料不足を疑う必要があります。葉の色が薄かったり、黄色くなっている場合も肥料切れの可能性があります。ただし葉が黄色くなる場合は、根が傷むことでおこる肥料やけの場合もあるためよく観察しましょう。
ナスについてはこちらの記事でもう少し深堀しています。さらに詳しく知りたい方は参考にしてみてください。
3.2 ししとう、トウガラシの追肥
ししとうやトウガラシの追肥は、最初の追肥は1番果が付いた時期です。その後、2週間ごとに追肥を行います。
また、花が咲いてもすぐに落花してしまう場合や、実が全く成長しない場合、実が小さいうちに柄が黄色くなり枯れ落ちる場合などは肥料切れのサインですので、適切なタイミングで追肥を行いましょう。
3.3 ピーマンの追肥
ピーマンの追肥は、実がつきはじめた時点から始めます。最初の追肥後は、2〜3週間ごとに追加の肥料を施すことが推奨されています。
また、植物の状態を観察することも重要です。雄しべが雌しべより短い状態や、花が咲いてもすぐに落ちることが多い場合は、肥料不足の兆候です。一方、葉の色が濃くて花がつかず、葉だけが茂っている場合は肥料過多の可能性があります。
3.4 オクラの追肥
オクラの追肥は、6月下旬頃に1番花が咲いた時点で始めます。その後は2週間ごとに追肥を行います。追肥の際には、植物の状態をよく観察し、肥料の適量を判断しましょう。
オクラの追肥のポイントとしては、葉と先端部分の観察が重要です。成長点付近で花が咲いたり、葉の切れ込みが細くなり、深くなってくると肥料不足のサインとなります。このようなサインが見られた場合は、適時に追肥を行いましょう
3.5 きゅうりの追肥
追肥のタイミングは最初の実がなりだしてから初めて2週間に1度位を目安にします。また、葉の色やキュウリを観察しタイミングをみます。
葉の色があせる。キュウリが曲がった実がなってきた時は肥料を施すタイミングです。また、つるや葉ばかり大きくなり雌花がつかないは肥料過多の可能性があります。
3.6 ズッキーニの追肥
ズッキーニの追肥は、地植え栽培では植え付けから約1か月後、プランター栽培では植え付けの約2週間後から行います。その後は、約2週間に1回のペースで追肥を行うことが一般的です。
もし実が大きくならない場合や成長が停滞している場合は、肥料不足の可能性が考えられます。この場合は追肥を行い、植物に必要な栄養を補給することが重要です。
3.7 ミニトマトの追肥
ミニトマトは、元々乾燥した環境で育つことから、肥料の使用量は少なめでも十分に育つことができます。過剰な肥料の使用は、葉や茎の茂りすぎや実の付きが悪くなる可能性があるため注意が必要です。
ミニトマトの追肥は、実が大きくなり始めた頃から行います。この時期に栄養を補給することで、実の成長を促すことができます。その後は、約2週間ごとに追肥を行うようにしましょう。
肥料の適量は、植物の状態をよく観察することで判断できます。例えば、朝に樹の上端の葉を観察すると、葉の状態から肥料の過不足を把握することができます。葉が内側に大きく巻いている場合は肥料過多の可能性があります。逆に、細長く上を向いている場合は肥料不足の可能性があります。葉が少し下に巻いている状態が正常な状態です。
大玉トマトの追肥についてはこちらにまとめています。上端の葉を観察するところなどミニトマトと同じような症状もありますのでよろしければ参考にしてください。
3.8 エダマメ・インゲンマメの追肥
エダマメやインゲンマメの追肥は1回のみで花が咲き始めた後であり、実が肥大していく時期に特に注意が必要です。追肥が不十分な場合、花が落ちてしまったり、さやがつかなかったりすることがあります。
そのため、花がたくさん咲き始めた後に株の様子を確認し、葉が茂りすぎていないか注意しながら追肥を施します。過剰な肥料の使用は、ツルボケの原因となる可能性があるため、慎重に行う必要があります。
3.春夏野菜栽培まとめガイド
春夏野菜を楽しむためには、追肥の他にも様々なポイントがあります。しま農研では、家庭菜園を楽しむためのプロセスとして、栽培計画や土作り、苗の探し方、野菜の育て方など様々な記事を作成しています。
こちらの記事はそれぞれを春夏野菜の栽培に必要な情報をカテゴリーに分けて説明しています。また、そのカテゴリーについて詳しい記事へのアクセスポイントとしてのまとめ記事になっています。ぜひこちらの記事も参照していただき豊かな収穫と楽しい家庭菜園ライフにつなげるきっかけにしてください。
4.まとめ
この記事では、春夏野菜の代表的な品種ごとの追肥のタイミングについて詳しくまとめました。野菜の種類によって追肥のタイミングは異なりますが、追肥のスタート時期やその後のタイミングを把握することで野菜の健康な成長をサポートすることができます。
また、肥料過多や肥料切れの症状を観察することで追肥の調整が可能です。一覧表を活用しながら野菜の表情を見ながら適時追肥を行いましょう。
追肥には環境や栽培方法によっても違いがありますが、この記事を参考にしながら追肥のスキルを磨いていくことで、より美味しく健康な野菜を育てることができます。
追肥の施し方や肥料の栄養素については、別の記事でまとめていますので、そちらもぜひ参考にしてください。家庭菜園を楽しむ上で追肥は重要な要素ですので、知識を深めて楽しく野菜栽培を行ってください。
読んでいただきありがとうございました!
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