赤や黄色のカラフルな茎が特徴のスイスチャードは、庭に植えるとその存在感で周囲を明るくし、美しいアクセントとなります。日本ではまだ馴染みの薄いこの野菜ですが、海外では多くの菜園で親しまれています。
その味はほうれん草に似ており、鮮やかな色彩を活かすことで、一気におしゃれな料理に変わります。多くのカロテンを含み栄養価も非常に豊富です。
この記事では、スイスチャードを地植えで育てる方法を詳しく解説します。次に園芸店で目にしたら、ぜひ1株を手に取ってみてはいかがでしょうか。園芸の魅力を存分に味わえること請け合いです。
スイスチャードの鮮やかな色は可愛くて庭が鮮やかになるので見ためも楽しめます。
1.スイスチャードについて
スイスチャードは、その原産地が南ヨーロッパからトルコにかけての地中海地域であるとされ、根菜であるビートを改良して葉菜として栽培されるようになった野菜です。その茎の色彩は多様で、赤や黄色だけでなく白やピンクなど、鮮やかなバリエーションが存在します。
ヒユ科に属し、ほうれん草と同じ科ですが、ほうれん草よりも葉が厚く、病害虫に強いため育てやすいのが特徴です。また、極寒時期を除いてほぼ年中育つため、日本では「不断草(フダンソウ)」という名前でも親しまれています。
和名 | スイスチャード |
原産地 | 地中海沿岸 |
分類 | ヒユ科フダンソウ属 |
発芽適温 | 20~28℃ |
育成適温 | 15~25℃ |
土壌酸度 | pH6.5~7 |
収穫まで | 約1ヶ月 |
2.地植えでのスイスチャードの栽培計画と準備
スイスチャードを地植えで栽培する際の計画的な準備は、成功への重要な第一歩です。このセクションでは、地植えでのスイスチャード栽培における計画とその準備について詳しくご紹介します。
2.1 スイスチャードの栽培時期
スイスチャードは比較的栽培時期を選ばず、冬の寒い時期を除いてほぼ年中育てることが可能です。特に中間地では、4月から9月の間に種まきや定植を行うと良好な成長が期待できます。
スイスチャードの成長は早く、種まきから約30日後には収穫が可能です。長期間楽しみたい場合は、外葉から少しずつ収穫する方法がおすすめです。ただし、大きく成長しすぎるとアクが強くなるため、早めの収穫が望ましいです。
2.2 スイスチャードの栽培スペース
地植えでスイスチャードを栽培する際には、株間を15cm、条間を20cm程度に保つことが一般的に推奨されます。
種から育てる場合は、2~3cm間隔で種をまき、間引きを行いながら、若葉をベビーリーフとして楽しむこともできます。スイスチャードは最大で草丈が1m程度まで成長しますが、15~20cmの大きさで収穫するのがおすすめです。
2.3 スイスチャードの土作り
スイスチャードを成功させるためには適切な土づくりが欠かせません。土壌改良には、雑草の除去、酸度の調整、元肥の施用が必要です。スイスチャードは酸性土壌を嫌うため、石灰を施用することが重要です。また、水はけの良い土を好むので、粘土質の土の場合は、堆肥を多めに加えることが望ましいです。
土作りは、植え付け予定日の1ヶ月前から始めると良いでしょう。土作りの詳しい手順については、別の記事で紹介しています。
3.地植えでのスイスチャードの育て方
スイスチャードの栽培は、その手軽さと比較的簡単な育成過程で知られています。このセクションでは、スイスチャードを実際に地植えで育てる手順について具体的にご説明します。
3.1 スイスチャードの種まき(地植え)
スイスチャードは冬の寒い時期を除き、ほぼ年中栽培が可能です。中間地では特に、4月から9月の間に種まきを行うと良いでしょう。
スイスチャードを育てる際は、株間15cm、行間20cmを目安にします。ここでは、スジまきの手順を詳しく解説します。
3.1.1 スイスチャードの種まき手順
1. 種まき前の準備
スイスチャードの種の皮は硬いため、一晩水につけて果皮を柔らかくすることで発芽率が向上します。これは必須の作業ではありませんが、時間があれば行うと良いでしょう。
2. 種まき
育てる位置を決めたら、深さ1cmのまき溝を作ります。その溝に2~3cm間隔で種を1粒ずつ播きます。種間の距離は後で間引くため、厳密である必要はありません。
3. 覆土と水やり
種を覆う土は薄くし、手のひらで軽く押さえて鎮圧します。水やりは種が流れないように注意しながら行います。
3.2 スイスチャードの間引き(地植え)
間引き作業は健康な苗の育成に必須であり、成長が遅い苗や徒長している苗を優先的に取り除くことが重要です。間引きの際は、残す株に影響を与えないようにハサミでおこないます。
3.2.1 スイスチャードの間引きのタイミング
1回目の間引き
本葉が2,3枚現れたタイミングで、最初の間引きを行います。この時、生育が弱い苗や密集している苗を取り除き、各苗間の距離を約4,5cmに保ちます。これにより、各苗が健康に成長できるスペースを確保します。
2回目の間引き
本葉が4,5枚展開し、苗が一定の大きさに達した時が2回目の間引きの適切なタイミングです。これが最終的な間引きとなるため、株間を15~20cm程度に調整します。間引いた芽はベビーリーフとしても楽しむことができます。
3.3 スイスチャードの定植(地植え)
スイスチャードは種から育てることが可能ですが、大量に育てない場合や即効性を求めるなら、苗を購入して育てるのが良い選択です。
スイスチャードはその鮮やかな色彩で庭を彩り、混植栽培にも適しています。手軽に楽しむことができるため、美しい庭づくりに一役買ってくれるでしょう。
3.3.1 スイスチャードの定植手順
定植は苗の健康と成長のために重要なステップです。以下の手順に従って行います。
1.ポットへの水やり
定植の1~2時間前には、ポットにたっぷりと水を与えます。
これにより、土が十分に湿り、苗が移植時のショックを最小限に抑えられるようになります。
2.植え穴への水やり
植え穴を掘った後、その穴にも水を与えます。このステップは、土に十分な水分を確保し、苗が新しい環境にスムーズに適応できるようにするために重要です。
植え穴の深さは、ポットの高さに合わせて調整します。これにより、定植作業が容易になります。
3.定植後の水やり
覆土をした後、再度たっぷりと水を与えます。この水やりは、土と根が密接に接触することを促し、根の活着を助けます。
苗をポットから取り出す際は、根を傷つけないように慎重に行いましょう。最後に仮支柱を立てて苗を固定します。
3.4 スイスチャードの追肥
3.4.1 追肥のタイミングとポイント
スイスチャードの成長をサポートするため、最後の間引きを行った後に追肥と土寄せを実施します。また、葉の色が薄くなったり、生長が遅いといった症状が見られた場合にも、適宜追肥を行います。
ただし、肥料の過剰投与はアブラムシなどの害虫を引き寄せる原因にもなるため、追肥は慎重におこなうことが重要です。
3.4.2 追肥の考え方
追肥は植物の成長を促すために重要な作業ですが、その適切な方法を身につけるには実践と経験が必要です。植物の微細な変化に敏感に反応し、観察力を磨くことで、家庭菜園の楽しみが一層深まります。
更に詳しい追肥の方法や考え方については、しま農研の提供する別の記事で詳しく解説しています。この追肥ガイドを参考にして、より効果的な肥料の使い方を学び、スイスチャードの栽培をさらに充実させてみてください。
3.5 スイスチャードの収穫
スイスチャードは、その栄養価の高さとカラフルな外観で様々な料理に活用できます。若い葉はサラダに最適で、茎と葉を使っておにぎりを作るなど、創造的な活用方法もあります。
美味しくて長くスイスチャードの収穫楽しむにはタイミングと収穫方法がポイントです。このセクションではスイスチャードの収穫のポイントについて解説していきます。
3.5.1 スイスチャード収穫のポイント
1.スイスチャード収穫のタイミング
スイスチャードは、15~20cmの大きさで収穫するのが最適です。このサイズの若葉はサラダに適しており、食感が柔らかく、あくも少ないです。
大きく育ちすぎた葉は硬くなるため、ほうれん草のように茹でてから使うと良いでしょう。茹でることであくを取り除き、食べやすくなります。ただし茹ですぎると色が抜けてしまうので注意が必要です。
2.スイスチャードの収穫方法
スイスチャードは外側の成熟した葉から摘み取ります。これにより、内側の新芽が健康に成長し続けることができ、長期間収穫を楽しむことができます。
葉の色が薄くなったり成長が鈍化した場合は、適宜追肥を行い、観察を続けてください。
4.しま農研の地植えでのスイスチャード栽培:実践編
しま農研はスイスチャードの地植え栽培を実際におこなっています。その中では、しま農研独自の試みやトラブルもあります。この章ではしま農研の栽培の様子を共有していきます。あなたがスイスチャードを育てるさいの参考にしてください。
4.1 スイスチャードの地植え栽培の観察記録
しま農研では、スイスチャードの地植え栽培を実践し、その影響をリアルタイムで観察しています。スイスチャードがどのように成長するかを観察することで、より効果的な栽培方法を見つけ出す試みをしています。
今後の進展については、しま農研の記事を通じてリアルタイムで観察記録を共有していきます。あなたがスイスチャードを栽培している時の成長比較としてぜひご活用ください。
5.まとめ
この記事では、スイスチャードの地植えでの栽培方法について、種まきから間引き、定植や追肥、収穫まで詳しく解説しました。スイスチャードはその栄養価の高さと鮮やかな色彩で、どんな庭にも華を添えることができます。しま農研のこの記事が皆さんのガーデニングの一助となり、スイスチャード栽培の魅力を存分に楽しむきっかけになれば幸いです
しま農研では多様な野菜の栽培方法を紹介しており、それらの記事は50音順で整理しています。どの野菜に興味を持っているかに関わらず、必要な情報を簡単に探すことができます。ぜひとも、これらの情報を参考にしてみてください。
読んでいただきありがとうございました!
コメント