9月まきと10月まきでどう違う?ダイコン・ニンジンの栽培観察レポート(2024年版)

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菜園記録

こんにちは、しま農研です。
2024年の秋、ダイコンとニンジンを同じレイズドベッドで育てることに挑戦しました。しかし、播種直後から害虫の被害にあい、思うように育ちませんでした。

そこで10月に種をまき直すことを決断。「遅めの種まきでもダイコンやニンジンは育つのか?」 という実験にもなりました。

この記事では、9月まきと10月まきでの成長の違いや、プランター栽培での様子もあわせて紹介します。失敗と成功の両方を記録していますので、これから秋冬野菜を育てる方のヒントになれば嬉しいです。

しま農研
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害虫被害にあってしまったので今年は9月まきと10月まきでのダイコンとニンジンの生長の違いに焦点をあてていきます!

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1.栽培の前提条件

2024年の秋、しま農研ではダイコンとニンジンを地植えとプランターの両方で栽培しました。
どちらも秋冬野菜の定番ですが、品種やまき方、栽培環境によって生育の差が大きく出ます。
この章では、実際に栽培を始める前の「条件」を整理しておきます。

1.1 作付け

ダイコンは株間30cmで点まきを行いました。一か所に5粒ずつ種を播き、発芽後は間引きを繰り返し、最終的に1本だけを残して育てています。

一方のニンジンは条間30cmで筋まき。最初は1cm間隔で播き、発芽したあとに少しずつ間引いて、最終的に株間を8cm程度にしました。

いずれも播種直後に防虫ネットを設置し、初期の害虫被害をできるだけ防ぎました。

野菜播き方間隔ポイント
ダイコン点まき(1か所5粒→間引き)株間30cm最終的に1本立ちにする
ニンジン筋まき条間30cm・株間8cm(最終)発芽後にこまめに間引き

1.2 品種

今回の観察では、しま農研ではじめて選んだ品種も含まれています。

大蔵大根:サカタのタネ

東京・世田谷区で古くから育てられてきた白首ダイコンです。関東の気候によく合い、一般的な品種よりも少し遅れて播いても育ちやすい特徴があります。今回は「遅まきに強い」という特性が、実験に合っていると考え採用しました。

畑で長持ち人参:サカタのタネ

畑に長く置いておけるのが特長の品種です。収穫時期をある程度選べるので、栽培経験が浅くても失敗しにくいのが魅力。播種時期はやや遅めでしたが、それでもどこまで成長するかを試す意味で取り入れました。


1.3 使用したプランター

根菜は深さが重要になるため、今回は深型プランターを採用しました。
実際に使用したプランターは以下の通りで、サイズや形状の違いによる生育差も観察のポイントにしています。

種類使用プランター名サイズ購入リンク
ダイコンアップルウェアー 楽々菜園75×32×32cm購入はこちら
ダイコンアップルウェアー 花と野菜のプランター60×30×28cm購入はこちら
ダイコンリッチェル 菜園上手 ジャンボ 65型65×39×42cm購入はこちら
ニンジンaika 菜園プランター70×40×30cm

1.4 野菜の育て方

栽培手順そのものは、各「育て方記事」で詳しく解説しています。
観察記録と合わせて読むと、より理解が深まると思います。

ダイコンの育て方(地植えプランター

ニンジンの育て方(地植えプランター

2.地植えダイコン(9月まきと10月まきの結果)

9月中旬に播種した地植えダイコンは、最初は順調に芽を出しました。ところが、防虫ネットを設置していたにもかかわらず、10月初旬に害虫が侵入し、一部の株が被害を受けてしまいました。

被害が軽かった株はそのまま育て、回復が難しい箇所については思い切って10月に播き直しを実施。

この章では、9月まきと10月まきのダイコンがどのように育ち、どんな差が出たのかを観察記録としてまとめています。

果たして遅まきでも収穫に間に合うのでしょうか?

2.1 比較結果

9月まきと10月まきの地植えダイコンを比べると、生育スピードと収穫時期に大きな差が出ました。

結果としては、「10月播種でも収穫は可能。ただし生長は遅れ、サイズはやや小ぶり」という結論になりました。

比較写真からも分かるように、播種時期が1か月違うだけで、初収穫はおよそ2か月ずれることが確認できます。寒さが増すにつれて葉の生長が鈍り、根の肥大も遅れがちになったためです。その影響で、10月まきでは十分に太らなかった株もあり、全体的に小ぶりなダイコンが多めでした。

9月まきは収穫量・サイズともに安定しやすい一方で、10月まきでも条件次第では十分に栽培可能です。空いている畝やプランターがあれば、遅めの種まきに挑戦してみるのも一つの方法と言えるでしょう。

3.プランターダイコン(9月まきと10月まきの結果)

プランターで栽培したダイコンは、地植えに比べて害虫被害が少なく、安定した生育を見せました。今回は9月と10月にそれぞれ別のプランターへ播種。10月以降は害虫もかなり減るため、防虫ネットを設置せずに育てました。

それぞれの成長の様子を比較してみます。

3.1 比較結果

9月まきの結果

9月16日に播種したプランターでは、発芽が揃いやすく生長も順調でした。11月には葉が大きく広がり、12月には根も太りはじめます。早い株は12月上旬から収穫が可能となり、年内にすべて収穫できました。サイズも十分で、地植えに劣らない仕上がりでした。

10月まきの結果

10月13日に播種したプランターでは、発芽は順調で、防虫ネットを設置しなくても害虫被害はありませんでした。ただし冬の寒さの影響で生長が緩やかになり、葉の展開も根の太りもいまひとつ。収穫は2月下旬〜3月となり、全体的に小ぶりなサイズが多い結果でした。

比較のまとめ

  • 9月まき → 12月から収穫可能、サイズも安定
  • 10月まき → 収穫は3月頃、小ぶりが多め、防虫ネットなしでも育った

プランター栽培は、
👉 「早めに播くと安定」
👉 「遅まきでも収穫はできるがサイズは控えめ」
👉 「遅まきは害虫被害が少ない」
という特徴がはっきりしました。

空いているプランターを活用するなら9月まきがベスト。ただし10月まきでも条件次第で十分チャレンジの価値があります。

4.地植えニンジン栽培(10月播種の結果)

ニンジンはダイコンと同じタイミングでレイズドベッドに播種しましたが、初期に害虫被害を受けてしまい、10月に播き直しを行いました。

本来、ニンジンの適切な播種時期は 7月~8月。それを外して10月にまいた場合、果たしてうまく育つのでしょうか?

4.1 栽培結果

結論から言うと、10月播種のニンジンは根が太らず、最終的には収穫遅れで裂根(割れ)してしまう株が多かったです。

観察を通じて分かったのは、秋が深まるにつれて葉の生長が止まってしまうこと。春になって再び葉は伸びてきましたが、根は思うように太らず、割れてしまったものが多数。割れなかった株も繊維が多く固くなってしまい、良い品質のニンジンはほとんど得られませんでした。


まとめ

今回の結果から、10月播種のニンジン栽培は非常に難しいと実感しました。
やはりニンジンは夏のうち(7月〜8月)にまいて秋の生長期をしっかり確保することが、収穫成功の鍵といえそうです。


5.プランターニンジン栽培(9月播種)

プランターでもニンジン栽培に挑戦しました。地植えとは違い、初期成育で害虫被害に合わなかったため、1回目の播種でそのまま育てることができました。

果たして9月播種のプランター栽培はうまくいくのでしょうか?


5.1 栽培結果

9月に播種したプランターニンジンは、発芽はスムーズで順調に生育を始めました。ところが、間引きが終わった10月26日頃に害虫被害を受けてしまいました。防虫ネットは設置していたものの、どこからか侵入を許してしまったようです。播き直しをするには時期的に遅かったため、そのまま栽培を続けることにしました。

結果的に栽培期間は3月〜4月までと非常に長くかかりましたが、それでもある程度品質の高いニンジンを収穫することができました。サイズは不揃いながらも、食味としては十分に楽しめるレベルでした。


まとめ

今回の結果から見えてきたのは、

  • 9月播種でも収穫は可能だが、栽培期間は長くなることがある
  • 途中で害虫被害に遭っても、春まで育てればある程度の収穫は見込める

という点です。プランター栽培では管理のしやすさから一定の成果は得られる一方、害虫対策は油断できないことを改めて実感しました。

6.2024年のダイコンとニンジンの栽培データのまとめ

2024年にしま農研で収集したダイコンとニンジンの栽培データを整理しました。これらは次回以降の栽培計画を改善するうえでの指標となるだけでなく、同じ条件で栽培を試みる方にとっても実践的な参考になるはずです。

6.1 2024年ダイコンとニンジンの栽培期間データ

地植えとプランター栽培を含めた、各環境別の播種日・初収穫・栽培終了日・収穫量・栽培日数の一覧です。

品種環境播種初収穫栽培終了収穫量栽培日数
ダイコン地植え9/16,10/131/18,3/92/16,3/307本154/168日
ダイコンプランター9/16,10/1312/8,2/2412/28,3/208本103/158日
ニンジン地植え10/133/303/3013本168日
ニンジンプランター9/163/94/129本208日

6.2 2024年ダイコンとニンジンの収穫データ

収穫の推移を月別にまとめました。どの時期にどれだけ収穫できたかを把握することで、次回の播種タイミングの参考になります。

品種環境11月12月1月2月3月4月合計備考
ダイコン地植え1本1本5本7本2本仕立てはあまり育たず
ダイコンプランター3本2本3本8本
ニンジン地植え13本13本あまり大きくならず
ニンジンプランター1本3本5本9本

7. まとめ

2024年の秋から冬にかけて挑戦したダイコンとニンジンの栽培では、播種時期の違い栽培環境(地植え・プランター) によって明確な差が見られました。

ダイコン

9月播種は安定したサイズと収穫量が得られました。一方で10月播種でも収穫は可能でしたが、やや小ぶりで生長スピードも遅めでした。特にプランター栽培は害虫被害が少なく、条件を整えれば地植えに劣らない成果を得られることが分かりました。

ニンジン

10月以降の播種は難しく、収穫までに長期間を要しました。結果的に一部収穫はできたものの、小ぶり・裂根・筋っぽさが目立ち、品質としては満足できませんでした。一方で9月播種では、栽培期間は長かったものの、食味として十分楽しめるニンジンを収穫できました。


今回の観察から得られた学び

  • ダイコンは 9月播種がベスト、10月でも条件次第で収穫可能
  • ニンジンは 10月播種は不向き、夏〜初秋に播くのが安定

今後の栽培では、今回のデータを活かして 「ダイコンは早めに」「ニンジンは夏場に」 という方針を意識しつつ、状況に応じて柔軟に調整していく予定です。

この記事が、秋冬野菜を育てる際の実践的なヒントになれば嬉しいです。

しま農研では、他にも様々な野菜の観察記録を記事にしています。この記事は 2024年に観察した秋冬野菜の集大成 です。観察記録を一覧で確認したい方は、ぜひ以下のリンクからどうぞ。

👉 2024年 秋冬野菜観察記録まとめ

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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