こんにちは!しま農研です。
ピーマン・シシトウ・トウガラシは、家庭菜園でも人気の夏野菜。
いずれもトウガラシを原種とする、兄弟のような関係の野菜たちで、育ち方や管理の仕方もよく似ています。
育てていると気になるのが、わき芽や下葉の整理、そして仕立て方の疑問。
「どのわき芽を残せばいい?」「下の葉って取っても大丈夫?」「3本仕立てって何?」──そんな不安や疑問を感じたことはありませんか?
実は、わき芽や下葉の整理は、株を健康に保ち、収穫量を左右する大切な作業です。
ただし、やみくもに取り除けばいいというわけではなく、タイミングとポイントを押さえて行うことが大切です。
この記事では、しま農研の実践をもとに、わき芽と下葉の整理の基本・タイミング・方法、そして3本仕立ての考え方までをわかりやすくご紹介します。
わかってしまえば難しくない作業です。
ぜひ参考にして、ピーマン・シシトウ・トウガラシ栽培をもっと楽しみましょう!
1. わき芽と下葉はなぜ整理するの?
ピーマン・シシトウ・トウガラシは、いずれもよく似た育ち方をするナス科の野菜です。
トウガラシを原種とし、それぞれ食べやすい形に品種改良されたのがシシトウやピーマン。まさに兄弟のような関係性にあります。
これらの野菜でいう「わき芽」と「下葉」は、一番果より下にある部分を指します。
ピーマン類は、実をつけた位置から上へ向かって枝分かれして生長していくため、実より上には基本的にわき芽は出ません。
この点が、同じナス科でもトマトやナスとは大きく異なる特徴です。
そんな株元にどんどん増えてくるわき芽や下葉。
「どこまで取ればいいの?」「そもそも取る必要ってあるの?」──と迷う方も多いのではないでしょうか?
実はこの整理作業は、株を元気に育てるための大切なメンテナンスのひとつ。
放置しておくと風通しが悪くなり、病気のリスクが高まったり、実のつき方にも影響が出てしまいます。
1.1 整理する目的
ピーマン・シシトウ・トウガラシのわき芽と下葉を整理する目的は、大きく以下の2つです。
これを理解することが、仕立てる本数や整枝方針を決める上でも重要になります。
1. 栄養の分散を防ぐ
ピーマン類のわき芽はそのまま放っておくと大きな枝に育ちます。
枝が増えるほど、株は栄養や水分をそれぞれに分散して送るため、全体としてかえって生長が鈍ってしまうことも。
そのため、育てる枝を限定することで栄養の分散を防ぎ、より充実した枝・実を育てることができます。
2. 病気の予防
わき芽や下葉が混み合っていると、株元が蒸れやすくなり、風通しの悪さから病害虫やカビが発生しやすくなります。
また、激しい雨の後などには泥が跳ねて下葉に付着し、病気を招く原因になることもあります。
👉 しま農研ポイント
しま農研では、実がつきはじめた頃から、少しずつ整理を始めています。
一気に取り除くのではなく、株の様子を見ながら“ちょっとずつ整える”のがコツです。
詳しくは、次の章で整理のタイミングについてご紹介します。

2. 整理のタイミングはいつがベスト?
わき芽や下葉の整理は、思いついたときにやればよいというものではありません。
適切なタイミングで行うことで、株への負担を減らし、効果的に整枝することができます。
特にピーマン・シシトウ・トウガラシなどの野菜では、
**「実がつきはじめた頃」**が最初の整理タイミングの目安です。
2.1 わき芽を整理するタイミング
最初の実(一番果)がついた頃、実より下のわき芽が混み合っているようであれば、不要な芽を取り除いていきましょう。
ピーマン類では、一番果より上には基本的にわき芽が出ないため、整理の対象はほとんど株元に限られます。
👉 しま農研ポイント
タイミングの判断は「わき芽が混み合っているかどうか」。
一番果の摘果直後でも、わき芽があまり伸びていない場合は、無理に取る必要はありません。
株の生長に応じて、1~2週間後に整理しても特に問題ありません。

2.2 下葉を整理するタイミング
下葉の整理は、わき芽を整理した後、残した枝がしっかりと分枝し、扇型に広がってきた頃が目安です。
このタイミングは人によって異なりますが、しま農研では、早く取りすぎて株の生長が鈍った経験もあるため、やや遅めの整理を心がけています。
また、下葉が黄色く変色したり、葉が傷んできたりした場合も、タイミングを待たずに取り除いて問題ありません。
👉 しま農研ポイント
育てる枝がしっかりと広がり、株に勢いが出てから整理するのが基本。
特に梅雨の時期を前に、雨で泥はねが増える前に下葉を整理しておくと、病気予防にもつながります。

3. 整理のやり方と使いやすい道具
わき芽や下葉の整理は、やり方を知っておけば初心者でも十分に対応できる作業です。
とはいえ、どこをどう取ればいいのか不安な方も多いと思いますので、しま農研で実際に行っている方法をもとに整理してみましょう。

3.1 わき芽の整理方法
わき芽は、指で根元をつまんで軽く折り取るだけでもOKです。まだ柔らかいうちは、手で簡単に折れるためハサミも必要ありません。
ただし、芽が伸びて固くなってきたものは、無理に折ると傷が大きくなってしまうことがあります。
その場合は、清潔なハサミで根元から切り取りましょう。
👉 ポイント
- 晴れた日の午前中に作業することで、切り口が乾きやすくなります
3.2 下葉の整理方法
下葉は、ハサミを使って葉柄(葉のつけ根)からカットします。
強く引っ張ると茎を傷めてしまうことがあるため、清潔なハサミを使うのが基本です。
剪定バサミや園芸用の小バサミがあると作業がしやすくなります。
👉 しま農研ポイント
- 下葉は茎の根元で付近切っておくときれいに仕上がります。
3.3 ハサミはステンレス製がおすすめ
しま農研でもこれまでにいろいろなハサミを使ってきましたが、うっかりメンテナンスを忘れてサビさせてしまった経験もあります…。
もし、しま農研と同じように「ちょっとズボラかも…」という方がいたら、サビに強いステンレス製のハサミがおすすめです!
今しま農研で愛用しているのは、
高儀(Takagi)の「畑サイクル ステンレス収穫用菜園鋏 160mm」という商品。
このハサミは錆びにくく、長く使えるのが魅力。
ピーマン・シシトウ・トウガラシのような野菜の剪定にも使いやすく、オールマイティに使える1本です。
4. 3本仕立ての考え方|どの枝を残す?
ピーマン栽培では、「3本仕立て」という仕立て方がよく紹介されます。
でも実際に育てていると──
「どのわき芽を残せばいいの?」「3本ってどこから数えるの?」と迷うことも多いのではないでしょうか。
ここでは、しま農研で実践しているシンプルな3本仕立ての考え方をご紹介します。
なお、トウガラシやシシトウの場合は基本的に2本仕立てで十分育ちます。わき芽はすべて摘み取ってOKです。
4.1 3本仕立てとは?
3本仕立てとは、株の主茎から伸びる枝を3本だけ残して育てていく方法です。
枝数をしぼることで栄養が分散しにくく、1本1本の枝に実がしっかりつくのが特徴です。
4.2 どの枝を残すの?
基本の考え方は、以下の3本を残すことです:
- 一番果がついた位置で自然に分かれた2本の枝(主枝)
- その少し下にある、元気なわき芽を1本
👉 無理に一番果直下のわき芽でなくても、バランスが良くて勢いのある枝を選ぶことが大切です。
4.3 支柱と誘引も忘れずに
3本仕立てにすると、枝が大きく広がります。
それぞれの枝に沿って1本ずつ支柱を立ててしっかり支えるのがポイントです。
支柱は枝の方向に沿って立てると、植物にストレスをかけずに自然な形で誘引できます。
4.4 間違ってわき芽を摘み取ってしまったけど大丈夫?
「間違って全部のわき芽を取ってしまった…」
実はしま農研でも、そんな経験があります。
でもご安心ください。ピーマンは2本仕立てでも十分育ちます。
特に10号プランターのような小さめの容器で育てている場合は、むしろ2本仕立ての方が管理がしやすいくらいです。
最初は枝の見分けがつきにくくても大丈夫。
「結果として3本に落ち着いた」くらいの気持ちで育てる方が、栽培がぐっと楽しくなります!
また、わき芽の考え方は他の野菜にも応用できるので、観察しながら育てることで自然と慣れていきます。
5. まとめ
ピーマン・シシトウ・トウガラシのわき芽や下葉の整理は、株を元気に育て、長くたくさん収穫を楽しむための大切な作業です。
一見むずかしそうに感じるかもしれませんが、タイミングとやり方のポイントを押さえれば、初心者でもすぐに実践できます。
また、「3本仕立て」などの整枝方法も、最初から完璧を目指さず、株の様子を見ながら整えていくことが大切です。
✅ この記事でお伝えしたポイント
- 整理の目的は「風通しをよくし、栄養を集中させる」こと
- タイミングは「実がつき始めた頃」「株がしっかり広がってから」
- やり方は、柔らかいうちは手で、硬いときは清潔なハサミで
- 3本仕立ては「主枝2本+下のわき芽1本」を基本に、無理なく整える
- トウガラシやシシトウは2本仕立てでもOK!無理せず楽しむのが一番
家庭菜園は正解がひとつではありません。
わき芽の伸び方や葉の状態は毎回違うからこそ、観察する楽しさも家庭菜園の魅力のひとつです。
しま農研では、他にもピーマン・シシトウ・トウガラシの栽培に役立つ情報を発信しています。ぜひ、育て方の記事もチェックしてみてください!
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
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