こんにちは!しま農研です。しま農研では、毎年40種類以上の野菜を育てながら、家庭菜園のある暮らしを思いっきり楽しんでいます。
園芸店に並ぶたくさんの野菜苗。もちろんそのまま植え付けても育ちますが、ひと手間加えることで初期の成長が良くなり、豊かな実りに近づきます。
この記事では、しま農研流の「失敗しない苗の選び方」から、植え付けの具体的な方法、野菜によって違う工夫まで、実践してきたノウハウをたっぷりご紹介します。
最初のひと工夫が、その後の元気な生長とたくさんの収穫につながります。
ぜひ一緒に、家庭菜園の楽しみをもっと広げましょう!

せっかく買ったかわいい苗たちになるべく過ごしやすい環境を作っていきましょう!
1.苗スタートのすすめ
家庭菜園を始めるとき、種から育てるか、苗から育てるかで迷う方は多いですよね。どちらにも楽しさはありますが、失敗を減らして確実に収穫したいなら「苗からのスタート」がおすすめです。
1.1 苗から育てるメリット

では、なぜしま農研では苗から育てることが多いのか。その理由を3つにまとめてご紹介します。
1.いい苗を育てるのは意外と大変!
園芸店やホームセンターに並ぶ苗は、まさにプロが丁寧に育てた苗です。適切なタイミングで定植できるよう、温度や湿度の管理が徹底され、多くはハウスなどで育てられています。こうした環境で育った苗は、初期の成長も安定していて、失敗しにくいのが特長です。
育苗は家庭菜園の中でも少し難しい部類の作業。特に初心者の方は、最初から苗を使うことで、家庭菜園をより手軽に楽しむことができます。
2.必要な本数だけ購入できる
家庭菜園では、育てられるスペースが限られていることが多く、種を購入しても余らせてしまうケースがほとんどです。野菜によっては、コスト面でも苗を購入するのと大きな違いはありません。
特にトマトやナスなどの果菜類は、1株を大きく育ててたくさん収穫するスタイルのため、苗から育てるのがおすすめです。一方で、パクチーやホウレンソウなどの葉物野菜は、種から育てる方法も手軽で適しています。
3.多彩な品種から好みの野菜を選べる
最近は園芸店やホームセンターに、さまざまな品種の苗が並ぶようになりました。ミニトマトひとつとっても、「甘み重視」「収穫量重視」「見た目重視」など目的に合わせた品種が選べるのは大きな楽しみです。
ぜひメインシーズンには、園芸店やホームセンターをのぞいてみてください。思わず手に取りたくなる、魅力的な野菜苗がずらりと並んでいます。
👉 しま農研のこの記事もおすすめ
➡「家庭菜園での苗や種をどこで買う?選び方のコツと関東のおすすめ園芸店5選」
2.苗の選び方と植え付け前の準備
家庭菜園の成功は、苗選びの時点からすでに始まっています。
どんなに丁寧に植え付けをしても、元の苗が弱っていれば、その後の生長にも大きく影響します。まずは、元気な苗をしっかり見極めましょう。
2.1 いい苗の見分け方のポイント
野菜によって違いはありますが、よい苗を選ぶためにいくつかのポイントがあります。ここでは、しま農研が苗選びの際に注意しているポイントをご紹介します。
すべての条件を満たしていなくても、問題なく育つことは多いですが、園芸店で苗選びを楽しむ際のひとつの目安として覚えておくと役立ちます。

1. 葉の色をチェック
葉は植物の健康状態を見極めるバロメーターです。薄い葉よりも濃い緑色の葉の方が、光合成が活発に行われていることが多いと考えられます。また、葉色が黄色っぽい場合は、栄養不足や根の状態が悪い可能性があるため注意しましょう。
2. 病害虫のチェック
虫食いの穴がある苗は、すでに病害虫の被害を受けている可能性があります。葉に黒っぽい斑点が出ていないか、うどんこ病にかかっていないかも、あわせて確認しておくと安心です。
3. 苗の大きさをチェック
苗の大きさも重要なチェックポイントです。節間が間延びしてひょろっと伸びた苗は徒長している状態です。見た目は小さくても、茎が太くどっしりと構えている苗の方が、その後しっかり育つことが多いです。
📌 苗を選ぶときの注意点
苗はとてもデリケート。ベタベタと触るだけで弱ってしまうことがあります。選ぶときは外観をじっくり観察するだけに留めるのがマナーです。
2.3 定植の際にあると便利な道具

植え穴を開けるときに便利なのが、「マルチシート穴開け器」という専用の道具です。ポットに合わせた大きさで深さを調整しやすく、手軽に正確な植え穴を開けることができます。
本来はマルチシートの上から定植するための道具ですが、しま農研ではプランターや地植えの作業でも愛用しています。簡単にきれいな植え穴が作れるので、ひとつ持っておくととても便利です。
👉 しま農研が愛用しているのは 「MKK マルチシート穴あけ器」 です。
3.苗の植え付けの手順
苗の植え付けは、ただ穴に入れるだけではなく、いくつかのポイントを押さえることで、活着がスムーズになり、その後の生長もしっかり安定します。
しま農研では、次の手順で丁寧に植え付けを行っています。
3.1 しま農研流・苗の植え付けの手順

✅ 植え付け前の準備

1. ポットに水を与える
植え付け1~2時間前にポットにたっぷり水を与え、根と土にしっかり水分を吸収させておきます。乾いたまま植え付けると活着しにくくなるため、最初のひと手間が大切です。
2. 植え付け予定箇所に水を与える
土が乾燥している場合は、あらかじめ植え付け場所に水を与えて湿らせておきます。特にマルチ穴あけ器を使う場合は、湿った土の方がきれいに穴を開けられます。
👉 ここまで準備できたら、いよいよ植え付け作業に進みましょう!
✅ 植え付け作業

3. 植え付け穴を開ける
植え付ける苗のポットサイズに合わせて、適切な深さと幅の穴を開けます。 マルチ穴あけ器を使うと、きれいに整った植え付け穴が手軽に作れます。プランターや地植えでも活躍する便利なアイテムです。
4. ポットの高さを合わせる
ポットを植え付け穴に入れ、ポットの土の高さと地表が同じくらいになるよう調整します。
5. 植え付け穴に水を与える
植え付け穴にたっぷり水を注ぎ、根鉢と周りの土がなじみやすい状態を作ります。
※液体肥料を一緒に入れる方法もありますが、しま農研では基本的に行っていません。
6. 苗を植え付ける
ポットから苗を外し、根鉢の状態を確認します。根がガチガチに回っている場合は軽くほぐしてから植え付けます。植え穴に苗を入れ、土をかぶせ、軽く押さえて安定させましょう。
👉 植え付けが終わったら、しっかりアフターケアも行いましょう。
✅ 植え付け後

7. 仮支柱を立てる
トマトやナスなどの果菜類は、活着後すぐに大きく成長します。強風などで倒れないよう、早めに仮支柱を立てておくと安心です。
8. たっぷり水を与える
植え付け後は、株元を中心にたっぷり水を与えます。ホースで水やりをする場合は、水圧が強すぎて土が流れないよう注意しましょう。
4.よくある定植の疑問Q&A【しま農研の実体験から】
この章では、よくある定植の疑問に、しま農研の実体験からお答えします。あなたの「これで大丈夫かな?」が少しでも解決できれば嬉しく思います。
4.1 定植時に寄せ植えによい野菜は?

しま農研では「ニラ」との寄せ植えをよく行っています。ニラはナス科やウリ科の野菜と相性が良く、病害虫対策にも一役買ってくれる便利な野菜です。
また、ニラは株分けで簡単に増やすことができるため、必要な分だけ寄せ植えに活用しやすいのも魅力のひとつです。植え付け時に株元へ一緒に植えるのがおすすめです。
4.2 植え付け後はどのくらいの頻度で水やりすればいい?
植え付け後は水のやりすぎに注意が必要です。過度に与えすぎると酸素不足や根腐れの原因になる場合があります。土の中5cmほどが乾いてきたタイミングを目安で水を与えましょう。プランターは土が乾きやすいので地植えよりはこまめな水やりが必要です。
また、根は水を求めて広がる性質があるため、過剰に与えない方が根張りも良くなります。活着のサインは、新しい葉が展開しはじめた頃。その後は、野菜の種類や生長に合わせて水やりの頻度を調整しましょう。
4.3 見切り苗買う?買わない?

しま農研でも、どうしても欲しい品種が見切り苗でしか手に入らない場合や、チャレンジしたいときに購入することがあります。しかし、うまく育たなかった経験も少なくありません。
見切り苗は植え付け適期を過ぎ、老化していることが多いため、リカバリーに手間がかかる点に注意しましょう。状態をよく見極めて、育ててみたい品種であればチャレンジしてみるのも楽しい選択です。
4.4 苗を植えるのによい天候は?
苗の植え付けは、曇りで風がない日が理想的です。強い日差しや強風は、植え付け直後の苗を傷める原因になります。
ただし、野菜は植え付け時期が生長に大きく影響するため、ベストな天候を待ちすぎて適期を逃さないよう注意しましょう。迷ったら少し日差しが落ち着く夕方に植え付けるのもひとつの方法です。
4.5 接ぎ木苗て買って方がいいの?

接ぎ木苗は、病気に強い台木に生長の良い品種を接いだ苗で、特に連作障害や土壌病害が心配な場合におすすめです。
しま農研では、トマトやナスなど、長期間にわたって収穫したい野菜には接ぎ木苗を選ぶこともあります。ただ、価格は少し高めになるため、育てる環境や目的に合わせて選ぶのがポイントです。
5.まとめ
苗の定植は、家庭菜園のスタートを左右する大切な作業です。ちょっとした準備や工夫を加えることで、苗はしっかりと根付き、元気に育っていきます。
この記事では、しま農研の実体験をもとに、苗の選び方から植え付けの具体的な手順、一工夫で生長を後押しするポイントまでご紹介しました。
ぜひ、今回ご紹介した方法を参考に、あなたの家庭菜園でも元気な野菜たちを育ててみてください。最初のひと手間が、豊かな実りとたくさんの収穫につながります。
それでは、これからも家庭菜園を一緒に楽しんでいきましょう!
しま農研では様々な角度から家庭菜園や庭作りに関する記事を発信しています。「しま農研流家庭菜園ガイドブック完全版」ではそれらの記事がアクセスしやすいように整理しています。よろしければ参考にしてください。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。
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